シェア争いにはまったく興味がない--首藤由憲・キリンビバレッジ社長

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──消費者目線はどのメーカーも重要視しているのでは。

残念なことに競合の動向ばかりを追い、完全なお客様目線に立って開発ができていなかった時期があった。売れない商品がたくさんある、というのがお客様の答えであり、その現実をきちんと受け止められる会社になる必要がある。われわれは、自分たちがやっていることを無意識に正当化しようとする傾向がある。だが、評価をするのはおカネを出すお客様だけであり、お客様が一流の評価者だと気づかなければならない。

──激しいシェア争いをしていたライバルのアサヒ飲料がカルピスを買収し、国内3位に浮上します。

負け惜しみではなく、本当に国内のシェア争いには興味はない。カルピスというブランド価値は大きいし、それを手に入れたアサヒ飲料は幸運だとは思う。ただ、商品が支持された結果として3位になるのと、3位になるために買収などをして対抗するのは、根本的に違う。われわれはあくまでお客様目線で経営していきたい。

しゅとう・よしのり
1952年生まれ、59歳。76年同志社大学商学部卒業後、キリンビールに入社。飲料を中心としたマーケティング畑が長い。2009年からキリンビバレッジのマーケティング本部長、11年代表取締役副社長、12年3月より現職。


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(聞き手:張 子渓 撮影:風間仁一郎 =週刊東洋経済2012年6月2日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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