【キーマンズ・インタビュー】アジアトップを目指すイオンの人材戦略--入井啓之・イオングループ人事戦略チームリーダーに聞く

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その根拠は、アジアの中間所得層の数が2020年には2010年比で1.8倍増の20億人となり、小売市場規模は200兆円増加することだ。この成長市場に対し、イオンはマルチフォーマット、即ちグループ全事業が一体となってアジアでの事業展開を加速する方針を打ち出した。そしてその到達点は、「アジアNo.1リテイラー」なることだ。

--中期経営計画では、「アジアシフト」、「大都市シフト」、「シニアシフト」、「デジタルシフト」という4つの言葉をキーワードとして上げています。

「アジアシフト」はご理解いただけると思う。イオンは、アジアを一つのマーケットととらえ、グループが一体となってアジアでの事業展開を加速させる。国によってモータリゼーションや都市化の進展の具合はさまざまだが、適切な店舗形態を組み合わせて展開していく。

「大都市シフト」は、首都圏での事業機会を拡大するもので、圏央道の内側を最重点エリアと定め、マーケットセグメントごとにフォーマットを定めて重層的な出店を行う。このノウハウはアジア市場でも有効だと思う。

「シニアシフト」は、シニア層のニーズに対応した売場にし、商品を開発することだ。国内だけでなく、アジアにおいてもシニアマーケットは拡大している。

この3つのシフトに加えて、今年になってから「デジタルシフト」を加えた。IT技術を駆使したロジスティックスなど、小売事業においてデジタルはきわめて大きな重要性を持っている。デジタルスキルを持つ人材の採用を強化したい。

--アジアでの人事の基本理念について教えてください。

イオンの基本理念は海外でも変わらない。イオンはラテン語で「永遠」を意味し、理念の中心は「お客さま」だ。お客さまへの永遠の貢献がイオンの使命であり、「平和」と「人間」と「地域」を大切にし、その実現を追求している。

 

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