日本株は米利上げによる調整リスクが大きい

円高に振れた場合、市場の反応には要注意

トヨタ自動車の2015年9月中間期決算の営業利益は、前年同期比17.1%増の1兆5834億円だった(撮影:鈴木紳平)

11日の日本株は、これまでの地合いを引き継ぐ形で堅調さを維持し、日経平均株価は前日比20円高の1万9691円で引けた。重要な上値抵抗線を上抜いており、上昇に向けて底固めに入ったかのように見える。

結果的に「郵政3社同時上場」が起爆剤となり、日本株の様相は一変した感がある。しかし、12月にも想定される米国の利上げによる株価調整のリスクを念頭に入れておくべきである。

地合い好転、過熱感を消化しながら上昇

日本株は「郵政3社同時上場」をきっかけに、地合いが大きく好転した。重要な上値抵抗線となっていた200日移動平均線を明確に上抜き、チャート面からも上昇基調に入ったといえる。しかし、テクニカル指標は依然として過熱感が強いことを示している。騰落レシオは130%台と高率である。過去15営業日で120%を下回ったのはわずか2日だけである。これだけを見れば、日本株の過熱感はきわめて強いと言わざるをえない。

騰落レシオは相場下落時には「一致指標」として機能する。70%以下で買いのサインとなり、その精度は極めて高い傾向がある。一方、相場上昇時には「先行指標」の位置づけとなり、将来の相場上昇を示唆することが多い。そのため、120%超の水準が続いた場合でも、そのまま上昇基調が1カ月ほど続くことが少なくない。これだけの高率が続いても、現在の日本株が下げないのは、まさにこのような特徴に基づくものであろう。

ちなみに、直近で120%を最初に超えたのは10月19日だが、来週末にはそれから1カ月が経つことになる。来週には日本の第3四半期GDPの発表や日銀の金融政策決定会合が控えており、株価は変動しやすくなろう。市場では、目先の景況感やGDP成長率の悪化を受けて、政府が補正予算を組む一方、同時に日銀が追加緩和を行うとの見方がある。そうなれば、政府と日銀がタッグを組んで、市場にサプライズを起こすことになる。

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