「国内自動車産業守り抜く」--トヨタの豊田章男社長が自工会会長に就任

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日本自動車工業会(自工会)は17日、2012年度通常総会を開き、トヨタ自動車の豊田章男社長(=写真=)を新会長に選出した。豊田・新会長は就任の記者会見で、「国内の自動車産業を守り抜く」という強い決意を示した。加えて、政府が進める消費税の引き上げが実現することを前提として、取得段階で二重課税となっている自動車取得税の廃止など、懸案となっている車体課税の抜本的な見直しに取り組む方針も示した。

国内自動車産業は円高や高い法人税率、東日本大震災後の電力不足など「六重苦」が重くのしかかり、海外に生産拠点を移す動きが加速している。豊田会長は「日本の自動車産業の強みは国内に集積した素材や部品、物流などサプライチェーン(部品の供給網)の総合力だ」と述べ、この強みは一定規模の国内生産があってこそ初めて発揮されるものと強調。そのうえで空洞化が進むなかにおいても、「国内の自動車産業を守り抜くという気概をもって取り組む」と語った。

また、志賀俊之前会長(日産自動車COO)時代から懸案となっている車体課税の撤廃については、「現在の政府案では14年から段階的な消費増税を行うことになっているが、自動車取得税がそのままで消費税が上がるのは、お客様にとって大変な負担になる」(豊田会長)と述べ、車体課税の抜本的な負担軽減に取り組む決意を示した。

なお、豊田会長の任期は2年。副会長には前会長の志賀日産COOがまわり、伊東孝紳ホンダ社長、山内孝マツダ社長ら4副会長が再任された。

(又吉 龍吾 =東洋経済オンライン)

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