「ローカル鉄道演劇」の旅!舞台は走る列車内

「グルメ列車」の次に来るのはコレだ

観客も役者も、同じ列車に乗って旅をする「ローカル鉄道演劇」

実際に運行されている列車が、演劇の舞台となる。物語を通じて、その土地の魅力を再発見する……。そんなユニークな試みが、11月7日から茨城県の第三セクター鉄道、ひたちなか海浜鉄道湊線で行われている。

演劇公演を行っているのは、2000年に旗揚げし、東京都墨田区を本拠地に活動している劇団「シアターキューブリック」。これまで、ローカル鉄道演劇として銚子電鉄(千葉県)、樽見鉄道(岐阜県)、高松琴平電鉄(香川県)といった鉄道で公演を行ってきた。今回はその第5弾、「ひたちなか海浜鉄道スリーナイン」だ。

列車の旅と芝居が一体化

物語の舞台は、今まさに走っている列車の中。車両、停車駅、車窓風景といった「湊線の旅」そのものが、巧みに脚本に取り入れられている。主人公は、久しぶりに湊線を訪れた青年だ。

車内で、彼はすがるような目をした見知らぬ女性に出逢う。勝田駅から阿字ヶ浦駅まで14.3kmの旅の間に描かれる、出逢いと想い。車両の片隅では、シンガーソングライターのオオゼキタク氏がギターを奏で、レールの響きと共に物語を盛り上げる。

終着・阿字ヶ浦駅に到着すると、物語の前編が終了。サイドストーリーをたどる「まちあるき」が始まる。地元の案内人という設定の役者たちと共に約2時間、阿字ヶ浦を歩くイベントで、立ち寄る場所は、地元の精肉店や神社といった、ガイドブックには載っていないスポットが中心だ。

配布される「阿字ヶ浦思い出MAP」には、見どころそれぞれに登場人物たちのエピソードが記され、物語に深みを与えている。のんびり過ごしたい人は、MAPだけ受け取って自由に行動してもよい。帰りの列車では再び物語が上演され、終着・勝田駅に着く頃、静かにクライマックスを迎える……。

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