太平洋セメント、売上高1兆円への夢を捨て、利益重視の3カ年計画を策定

太平洋セメント、売上高1兆円への夢を捨て、利益重視の3カ年計画を策定

「災害から生命を守るセメントが見直されてきた。安定供給で世間の期待に応えたい」

こう胸をたたくのは、4月1日付で太平洋セメントのトップに昇格したばかりの福田修二社長だ。セメント業界は、民主党政権発足当初の「コンクリートから人へ」というスローガンもあって、冷たい世間の風を感じる斜陽産業のレッテルが貼られてきた。
 
 が、東日本大震災以降、全国各地で豪雨や竜巻など大規模災害が起きて、その都度、セメント構造物が有する防災機能の重要性が再認識されてきた。

福田社長が強調するのは、「セメントが国内で安定供給できない事態が起きると、震災復興も防災工事もままならない」という問題提起。装置産業であるセメントメーカーが供給責任を果たすには、設備更新やメンテナンスを行うための巨額の原資を生み出さなければならない。それには太平洋セメントが「グループの収益力を高めるため、成長と財務体質強化に取り組むことが肝要」という。
 
 さらに、福田社長は、安定供給を続けるには、セメント価格の値上げを需要家に納得してもらって、その差益を生コンクリートの流通業者に還元することが欠かせないとも指摘する。
  
3年後の営業利益は8割増520億円を目指す

この新社長の方針に沿った道筋が、社長就任と同時にスタートした3カ年の中期経営計画。最終年度の2014年度(15年3月期)の営業利益は、前11年度の8割近い増加となる520億円を目標に掲げる意欲的なもの。しかもこの期間中の国内セメント需要は、4300万トンで、前11年度4265万トン(セメント協会公表)からほとんど増加しないという前提だ。

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