30年選手、F-15Jが現役で戦えるワケ

航空自衛隊で長年活躍する戦闘機の秘密

アフターバーナー・テイクオフする、アメリカ空軍第57戦闘航空団第433兵器学校所属のF-15C。アメリカ空軍は今後もF-15のアップグレードを続け、しばらくの間は主力制空戦闘機として使い続ける 。(写真:青木謙知)
 

航空自衛隊いちばんの主力要撃戦闘機を知っていますか? それが「F-15Jイーグル」です。

日本の空を守るべく全国各地に配備されているF-15Jイーグルですが、その数は約200機にもおよび、もう1種類の主力戦闘機F-2の2倍以上になります。双発の強力なエンジンを備えるF-15は制空戦闘機として世界でもトップクラスの実力を誇り、これまで空中戦によって撃墜されたことは1度もありません。

F-15Jイーグルは導入開始から30年あまり。かなりの年月を経ているように思われるかもしれませんが、もともと備わっている優れた飛行性能や運動性は、今でも見劣りすることはありません。

とはいえ、センサーや情報通信などの電子機器関連は、さすがに旧世代のものです。そこで航空自衛隊は現在、F-15のレーダーやミッション・コンピューターなどを更新して、新しい兵器システムを導入するとともに、統合電子戦措置(IEWS)や戦闘機用データリンク装置などを装備する「近代化改修」を進めています。

航空自衛隊は、複座型「F-15DJ」も含めてこれまでに213機のF-15を導入しましたが、ほぼ半数がこうした近代化改修を受ける予定です。これにより日本の新しい防空組織である「ジャッジ・システム」に完全に適合し、新世代の航空脅威にも対処し続けられる能力を獲得します。

急増する南西方面への緊急発進

航空自衛隊は現在、F-15で7個の要撃戦闘飛行隊を編制し、全国5カ所の基地に配置しています(ほかには、訓練部隊と教導部隊で各1個隊)。平時、F-15は各飛行隊で2機1組が対領空侵犯措置任務のための緊急発進(スクランブル発進)態勢に就いており、最短で発進発令の5分後には離陸を完了して目標に向かいます。

この任務に就いている戦闘機は、警告射撃用に機関砲弾を搭載しているほか、万が一の不測の事態に備えて、短射程空対空ミサイルの実弾2発も携行しています。過去、不明機による日本の領空侵犯は38回起きているものの、ミサイルを発射したことはもちろんなく、警告射撃も1987年12月の「F-4EJ」による1回だけです。

冷戦当時、日本にとって大きな潜在的脅威は、極東ソ連軍でした。このため、自衛隊の部隊配置や新型装備の配備は、北方を重視して行われました。もちろん今でも、極東ロシア軍は警戒すべき対象ですから、北方の防衛も重要ではあります。

しかし、近年急速に進んでいる中国軍の近代化と拡充が、南西方面を重視した防衛力の配備への転換を余儀なくしています。そのひとつの表れが、スクランブル発進の回数です。

次ページスクランブル発進の回数増加による、戦闘機部隊の再編
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