甲子園ジェット風船が割れやすくなったワケ 製造業者が変わったことが原因か

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ラッキー7で飛ぶジェット風船(写真 : 新右衛門 / PIXTA)

「なんやこれ、いくらなんでも割れすぎや」「ぎょうさん買わそうっちゅう魂胆やろ」――。今年6月下旬、阪神・ヤクルト戦が開催されていた甲子園球場で、阪神ファンの間でこんな会話が交わされていた。

筆者はこの日も含めると、この5年間に4回甲子園で観戦しているが、確かにこの日は異常だった。7回表のヤクルトの攻撃中、おびただしい数のジェット風船が次から次へと割れ続ける音が球場全体に鳴り響いたのである。

甲子園の風物詩に異変

今や甲子園の風物詩ともなっている、阪神ファンによるラッキー7のジェット風船飛ばし。ジェット風船飛ばしをファンが応援に使う球団は、パ・リーグ6球団と、セ・リーグでは阪神、広島、横浜の3球団の計9球団だ。

ホームチームファンの占有率が高いMazda Zoom-Zoomスタジアム広島や、ヤフオクドームのジェット風船飛ばしも壮観ではあるが、一人で2個飛ばす観客の比率が高いせいか、甲子園の見事さは群を抜く。7回表のビジター側の攻撃が始まると膨らます人が出始め、アウトカウントが1つ増えるごとにどんどん増える。1塁側では風船に視界を遮られ、7回表のゲームはほとんど見えないとすら言われる。

膨らませすぎで風船が割れる現象自体は、ジェット風船の使用を許している球場ならどこでも日常茶飯時で起きているし、中でも甲子園は特に多いという印象を筆者もかねてから持っていた。だが、それにしてもこの日の割れようは例年とは比較にならないレベルだ。冒頭の観客の発言は、まさに筆者自身が「いくらなんでも割れすぎ」と思っていたときに耳に入ってきた。

東京に戻ってからもCS放送で阪神戦を頻繁に視聴したが、毎試合、おびただしい数の風船が割れる音がする。テレビ画面に映った、ネット裏最前列の観客のジェット風船が3つ続けて破裂するのを目にしたこともある。この現象は今シーズン終了まで続いた。ちなみに、今シーズン、筆者は西武ドームと横浜スタジアムでも阪神戦を観戦しているが、この2カ所ではこんなことは起きていない。

甲子園のジェット風船に、いったい何が起きているのだろうか。

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