ロボット (Endhiran/The ROBOT) --次なる「インド」《宿輪純一のシネマ経済学》

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面積は、欧州(EU)の約430万平方キロメートルに対し、インドは約330万平方キロメートルと比較的似通っているが、まるで違うのは人口である。欧州は約5億人、インドは面積がやや小さいにもかかわらず、約12億人で、しかも人口増加率は約18%とのことである。人口では中国を超えることも確実視されている。
 
 世界経済には成長の中心ともいえるエリアがある。少し前が、東南アジアで、現在は中国であろうか。そして本当に個人的な意見であるが、5年後はインドが、人口増加やその成長段階からいっても、世界の成長の中心となる可能性が高いのではないか。ちなみに、その次、10年後ぐらいは、いよいよアフリカが成長の中心になってくるのではないだろうか。

しかも、インドはITを次の産業の柱として育成を目指しており、授業料も安い15のインド工科大学(Indian Institutes of Technology : IITs)を通じてIT教育を強化している。IT産業がインドの経済成長をさらに高める可能性が高い。もちろん、CGのベースにはITがある。

筆者は、インド映画も好きだが、インド料理も好きである。マトンカレーとナンが特に好きである。カレーは、マサラといわれているように多数の香辛料を混ぜ合わせたものだ。香辛料は薬用成分を持っているものも多い。カレーの黄色のターメリックとは実はウコンだし、二日酔いぎみのときは特にカレーを食べている。人生の辛さよりも辛いインドカレーを食べると、人生の辛さを忘れられる気もする。



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しゅくわ・じゅんいち
博士(経済学)・映画評論家・慶應義塾大学経済学部非常勤講師・ボランティア公開講義「宿輪ゼミ」代表。1987年慶應義塾大学経済学部卒、富士銀行入行。シカゴなど海外勤務などを経て、98年UFJ(三和)銀行に移籍。企画部、UFJホールディングス他に勤務。非常勤講師として、東京大学大学院(3年)、(中国)清華大大学院、上智大学、早稲田大学(5年)等で教鞭。財務省・経産省・外務省等研究会委員を歴任。著書は、『ローマの休日とユーロの謎』(東洋経済新報社)、『通貨経済学入門』・『アジア金融システムの経済学』(以上、日本経済新聞出版社)他多数。公式サイト:http://www.shukuwa.jp/、Twitter:JUNICHISHUKUWA、facebook:junichishukuwa ※本稿の内容はすべて筆者個人の見解に基づくもので、所属する組織のものではありません。

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