日本企業の「両立支援」は、なぜ裏目に出る?

「長く働く」と「管理職になる」は、まったく別

女性活躍のためにせっかく整備した「両立支援策」が裏目に……?(写真:マハロ / PIXTA)

第1回:「管理職候補」から女を閉め出す、3つの要素

第2回:女性活用ベタの会社が、「お先真っ暗」な理由

みなさん、こんにちは。女性活躍推進コンサルタントの清水レナです。

ここ数年、大企業を中心に「女性社員のための両立支援制度」が充実してきました。その甲斐あって、大企業の人事の方から「わが社の産休・育休後の女性社員の復職率は100%です」「出産を理由に退職する女性社員は、この3年ゼロになりました」という言葉を聞く機会が増えてきました。

しかし、その後に続くのは、こんな苦悩の言葉だったりします。「両立支援が充実したにも関わらず、戻ってきた女性社員が誰も管理職を引き受けてくれなくて、困っているんですよね」「支援制度を拡充するにつれて、さらなる要求をしてくる女性社員が悩みのタネです」……。

一体なぜ、両立支援制度を拡充しているにも関わらず、女性管理職が増えないのでしょうか? 今日はそのあたりの事情を解説していきます。

「管理職を目指さない」ことを後押ししている?

女性育成に力を入れる企業では、育児休業期間の延長や、それぞれの事情に応じて時短勤務を延長利用できるなど、「時間的制約条件がある女性でも働きやすい環境作り」が積極的に行われてきました。この仕組みは女性の定着率をあげるのに効果を発揮し、結婚や出産後も辞めないで働き続ける女性が増えました。

ところが、この制度によって管理職を目指す女性が増やせるかと言ったら、そうではありません。なぜなら、この制度には「昇進は望まず、無理せずに、細く長く働く」という選択を後押しする側面もあるからです。

逆に、本人は管理職昇進を目指し育児休業からの早期復職を希望しているにも関わらず、「うちの会社は両立支援がこんなに充実しているのだから、無理せず休んだらいいのに」という周囲の勧めを無視できず、ペースダウンをせざるを得ない……なんてケースも散見されます。

そう、女性活躍を推進するはずの両立支援策が、かえってキャリアアップの邪魔になっているという逆転現象が起きているのです。

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