アコーディア・ゴルフ内紛の陰に、ライバル・PGMによる統合計画

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ローンスターから代わりの買い手を求められ、窮地に追い込まれた神田氏が最終的に頼ったのが平和。オリンピアは06年にアコーディアが新規公開したときからの株主。神田氏は機関投資家への売り出しを担当していた。当時オリンピアオーナーで07年に平和のオーナーになる石原氏と面識があってもおかしくない。

「海外も含む複数の投資家にPGM買収を打診、最終的に平和にはめ込んだのは神田氏。はめ込む以上は、平和にPGMの企業価値向上を保証していないわけがない。神田氏のPGM社長就任はその意味で当然だった」(ゴルフ業界関係者)。

平和による買収後、無役だった神田氏がPGM社長に就任した。これはスカウト人事ではなく、ある意味で既定路線といえる。そしてアコーディアとの経営統合もまたシナリオに含まれていたはずだ。

神田氏は、PGM社長就任翌日には、アコーディアにPGMとの経営統合を持ちかけた。が、竹生社長の拒否感は強かった。

竹生社長が在任しているかぎり、経営統合を進めようとすれば、敵対的買収にならざるをえない。日本で敵対的買収の成功は難しく、たとえ成功したとしても、買収金額が巨額になって、後の経営が悪化する。

私的流用疑惑で竹生社長を辞任か解任に追い込み、それができない場合、株主提案を通じて新経営陣を送り込む。秋本専務の会見から始まる一連の内紛劇は、PGM&平和による二段構えの作戦といえる。


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