ヤフー社長、「過去最大の販促」をブチ上げ ショッピング事業は爆速成長できるのか

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宮坂社長は会見で「過去最大級の販促を行う」とブチ上げた

「下期に300億円をかけて、ヤフーの歴史で最大級の販促活動を行う」。こうブチ上げたのは、宮坂学社長。10月30日に開かれた2015年度中間決算(4~9月)会見で、期初計画を見直して、下期に約200億円の追加投資に踏み出すと宣言した。

中間期の実績は、売上高が前年同期比22.4%増の2488億円、営業利益は同60.3%増の1519億円。アスクルを8月下旬に連結子会社化し、第2四半期に保有株の再評価益596億円を計上したことで大幅な営業増益になった。

主力の広告関連のマーケティングソリューション事業は、売上高が前年同期比10.4%増の1426億円、営業利益は同6.2%増の733億円だった。検索連動型広告などでパソコン向けの減少が続いたが、スマートフォン向けのタイムライン広告などが補った。

ネットオークション「ヤフオク!」やネット通販「Yahoo!ショッピング」などのコンシューマ事業は、アスクルの9月業績が反映されたことに加えて、再評価益が大きく寄与し、売上高が前年同期比44.1%増の823億円、営業利益は同182%増の928億円とハネ上がった。

ショッピング中心に資金を投下

大胆な追加投資を行う余裕が生まれた背景には、アスクルの連結化によって、危ぶまれていた2015年度の増益が確実視される状況になったこともあるようだ。

資金投下のメインターゲットになるのは、ネット通販の「Yahoo!ショッピング」と、アスクルと共同運営する「LOHACO(ロハコ)」からなるショッピング事業だ。追加投資する200億円のうち、100億円強をショッピング事業の広告宣伝費やポイント還元策などに充てる。そのほか、約50億円をスマホアプリの宣伝費に、20数億円をクレジットカードの顧客獲得と、ネットオークション「ヤフオク!」の再活性化に向けた販促費用としてそれぞれ投入する見通しだ。

ヤフーは2014年度の通期決算会見で、2015年度を通じて今年4月にスタートしたクレジットカード事業と、ショッピング事業への投資に力を入れると説明。クレジットカードの有効会員数は足元で140万人を突破しており、「通期の計画を上期で達成した」(宮坂社長)と勢いが出てきている。

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