【産業天気図・電子部品】デジタル機器需要拡大受けコンデンサー中心に小型高機能化進展し収益堅調、「晴れ」が続く

電子部品業界各社は前期に軒並み増収増益を達成したが、今08年3月期は若干伸びが落ちるにしても、ほぼそろって収益続伸が見込まれ(下掲の表参照)、「晴れ」が続く。
 電子部品需要予測の前提となる主要デジタル製品の需要拡大が背景としてある。携帯電話の全世界販売台数は06年度が9.1億台だったが、先進国の3G化、途上国への裾野拡大が進み、今期も10%程度の伸びが見込まれる。それに応じて、部品需要台数も同様の伸びが想定できる。パソコンも06年度の販売台数2.3億台に対し、やはり1割程度の増大が業界のコンセンサスで、部品需要台数も同程度の伸びを見せよう。また、08年の北京五輪に向け、薄型テレビなどデジタル家電の拡大も続きそう。部品の小型高容量・高機能化、製品当たりの部品搭載量の急増も追い風となり、部品単価の下落は数量増でカバーする見通し。
 電子情報産業協会が調べた電子部品グローバル出荷統計(国内93社ベース)によると、出荷額は05年3月から直近公表の07年3月まで25カ月連続の前年比プラスを記録している。コンデンサーをはじめコネクター、スイッチ、小型モーター、電源部品、高周波部品など幅広く拡大。なかでも、スイッチが5カ月連続して前年比2ケタ以上の伸長を示しているのは、ゲーム市場の活況によるものと推測される。不調なのはヘッド、ピックアップ製品ぐらいだ。4月以降も大手では好調な受注が継続しており、当面高水準で堅調な状況が続こう。
 コンデンサー大手各社は村田製作所、TDK、太陽誘電など収益続伸の予想で、生産能力拡大も続行。最大手の村田製作所は前期と同様、1000億円に上る大規模設備投資を計画。償却費が大幅増加するが、数量効果で増益が続く。同社のコンデンサーの生産能力は前期に40%拡大したが、今期は上期に15%増やす方針。下期は現状数%の能力拡大しか見込んでいないが、「基調が変わったという意味ではなく、(ウインドウズ)ビスタの売れ行きも思ったより悪いし、市場を見ながら対応したい」(同社幹部)。製品単価の値下がりは、比較的穏やかな10%程度を想定している。
 総合電子部品大手の京セラも、コンデンサーや水晶デバイスが伸び、シェア首位のセラミックパッケージなど半導体部品も伸びが続く見通し。水晶デバイス専業大手のエプソントヨコム、日本電波工業も携帯電話やデジタル家電向けが牽引して好調を持続する。
 コネクター業界も堅調。ヒロセ電機は主力の携帯電話向けが下期にかけ需要拡大する見通しで、日本航空電子工業も引き続きデジタルテレビ向けなどが堅調。精密小型モーター主力の日本電産もHDDスピンドルモーターなど続伸の見込みだ。
 こうした中でアルプス電気の減収減益が目立つが、磁気ヘッド撤退が減収要因となり、固定費を吸収できないため。ただスイッチやセンサーは好調で、来期は回復を見込む。
 なお、各社とも為替の前提は110~120円に置いており、現下の円安状況が続けば収益が増額される公算が高まろう。

●主要各社の08年3月期業績予想(前期比増減率、『会社四季報』予想ベース)
             
            売上高  営業利益  
京セラ          5%   15%
<6971.東証>
TDK          0.3%   13%
<6762.東証>
アルプス電気      ▲6%   ▲9%
<6770.東証>
日東電工         7%    1%
<6988.東証>
日本電産        14%   17%
<6594.東証>
村田製作所        9%    8%
<6981.東証>
ローム          1%    6%
<6963.東証>
ミツミ電機        5%    5%
<6767.東証>
太陽誘電         4%   14%
<6976.東証>
日本航空電子工業     9%   19%
<6807.東証>
日本ケミコン       4%   19%
<6997.東証>
ニチコン         5%   13%
<6996.東証>
ヒロセ電機        6%    3%
<6806.東証>
エプソントヨコム     8%   14%
<6708.東証>
日本電波工業       8%   11%
<6779.東証>

【中村稔記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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