駐車場の市場規模は5兆円以上はあるんです--西川光一・パーク24社長(第1回)

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--営業利益率も高いですね。

基本的にはノンアセットビジネスですから。

土地は地主さんからお借りしますし、設備投資もほとんどの部分はリース。大きな初期投資がなくても十分回せるビジネスモデルです。当社のタイムズ事業(時間貸し駐車場事業)を単体で見ると売上総利益率はだいたい26~27%くらいある。借り入れも増えてきてはいるものの、基本的にタイムズ事業の開発だけであれば、年間のキャッシュフローの範囲内で賄えます。

日銭が入ってくる強さはありますが、ラクになったのは最近ですよ。タイムズ事業は11年で20年目を迎えましたが、最初の7~8年は苦労しました。ある程度の規模になり駐車場でキャッシュが入ってくるようになってラクになったので、それまでは投資先行でしんどかったです。

--なぜ大手企業は参入してこないのでしょうか。

この業界、実は参入障壁はゼロなんですよ。先ほど申し上げたとおり、駐車スペース500平米以下の駐車場には届け出も規制もありませんから、知人から土地を借りることができ、駐車場の機械を用意できれば個人でも始められます。

でも、大手は参入してこない。おそらく、駐車場は汚い、暗い、臭いのような3Kに近いイメージがあったのではないでしょうか。

本格的に駐車場が増え始めたのはバブル崩壊後の93年くらいです。駐車場は不良債権で虫食い状態になった土地が空いているから成立しているというイメージも強かった。

しかしそのイメージは間違い。当社が駐車場事業を始めたのは91年でバブル崩壊後でしたが、実際のところあの頃お借りした土地は不良債権ではない。そうした土地はゼロです。大手企業の大半は、イメージ的な部分で参入を躊躇されていたのかなと思います。

にしかわ・こういち
 1964年10月13日生まれ。89年4月アマダ入社、93年11月パーク24に情報開発部長として入社、同年12月タイムズ事業部長兼情報開発部長、94年1月取締役、95年3月営業副本部長兼東京本店長、97年4月営業副本部長兼戦略企画室長、98年1月常務取締役、2000年11月タイムズ24(現タイムズサービス)代表取締役、02年6月ドライバーズネット(現タイムズコミュニケーション)代表取締役社長、04年パーク24代表取締役社長(現任)、06年6月有限会社千寿代表取締役社長(現任)、07年11月代表取締役社長 執行役員社長 東日本事業本部長、タイムズコミュニケーション取締役、08年3月普客二四停車場股份有限公司 薫事長、09年3月マツダレンタカー(現タイムズモビリティネットワークス)代表取締役会長、11年12月タイムズ24代表取締役社長(現任)。撮影:尾形文繁

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