トヨタが遂に投入する次世代ハイブリッド 普及には電池の量産化がカギ

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トヨタが遂に投入する次世代ハイブリッド

先行走者のトヨタ自動車がまた一歩踏み出した。13日、デトロイトモーターショーで家庭用電源から充電できるプラグイン・ハイブリッド車を2010年までに投入すると表明。米国中心に法人向けに売り出す。

今回最大のポイントはリチウムイオン電池の量産化だ。リチウムイオンは従来のニッケル水素電池に比べて小型で高出力、容量が大きい。これを搭載することにより、現行ハイブリッド車に比べ、より電気だけで走行する距離が増す。

ただ、パソコンの発火問題など安全性に問題が残ることから、搭載は当面先送りされるとの観測が根強かった。これに対し、トヨタは松下電器産業と合弁のパナソニックEVエナジーで量産化を検討すると発表。“先送り”説をひとまずハネ返した格好だ。

米ゼネラル・モーターズもプラグイン投入をブチ上げるなど、欧米勢の巻き返しも熱い。今後はコスト面など、よりビジネスに重点を置いたトヨタのさらなる一手に、業界中の視線が集まる。(週刊東洋経済2008年1月26日号より)

大野 和幸 東洋経済 記者

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おおの かずゆき / Kazuyuki Ohno

ITや金融、自動車、エネルギーなどの業界を担当し、関連記事を執筆。相続や年金、介護など高齢化社会に関するテーマでも、広く編集を手掛ける。

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