ラグビー日本代表人気を支えた「影の立役者」 「五郎丸?え、船ですか?」時代を超えて

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ーー苦労が報われましたね。

努力するのは当たり前ですが、ほぼ、報われない努力だと思っていました。でも今回、報われる努力ってあるんだ、というのを実感しましたね。チャンスが来たときに、それをものにするだけの十分な努力をしていないと、絶対に成功はしないですが、今回は本当にそれがうまくかみ合った。

だから、南アフリカに勝って、世の中がバンっと燃えたときに、もっとああいうことをしておけばよかったなと思うことは比較的少なかったです。だって、もう、ほとんどすべてのやれることをやってましたからね。

居酒屋で話題になるスポーツになってほしい

ーー選手のみなさんもそう感じているのではないでしょうか。

南アフリカに勝ったとき、すぐに選手に会いに行ったら、「俺たち、やりました!」という声はあまりなくて、「これで、ラグビーが盛り上がりますかね」という声が選手からたくさん上がったんです。自分たちのことではなく、ラグビー全体のことを考えた発言がこんなに選手から出るなんてと、感激しましたね。

ーー2015年はここで一区切りですが、重要なのはこれからです。2019年に向けてはどんな計画をお持ちですか?

日本代表が劇的な勝利をしたことで、これだけ大きなムーブメントになりました。せっかく選手が、協会が結果を出して盛り上げてくれたものを少しでも文化として根付かせたいと考えています。

ーー今後がとても楽しみですね。

これまでも楽しみだったし、これからも楽しみですが、プレッシャーがより大きくなりましたね。4年後まで、このラグビー熱をどう継続するかが課題です。今までは、視聴率が2〜3%だったらどうしようという個人的なプレッシャーだけでしたが、これからはもっと大きなものを背負ったような気がします。

スポーツって人気が浸透してくると、居酒屋とかで飲みながら解説するファンが出てきますよね。「サッカー日本代表は、もっとあいつを入れなきゃダメだよ」とか、「先発はこいつのほうがいい」とか。ラグビーもそうなればいいと思っていますし、そうなるようにいろいろ考えていきたいです。

(撮影:田所千代美)

伊澤 佑美 「週刊?!イザワの目」編集長

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いざわ ゆみ

2003年上智大学卒業。編集者、ライター、PRプランナーとして、企業のオウンドメディア運営やコンサルティングのほか、広報業界向けメディアへの寄稿などを手掛けている。トレンドの裏側を取材する「週刊?!イザワの目」編集長も務める。

 

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