ネット配信業者が日本アニメに注目するワケ ネット配信が変える映像コンテンツビジネス

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アニメ関連の売れ筋を聞いてみると、1話の時間が短いものが注目されている。これはネット視聴のユーザーのペースに合っていることも理由のようだ。もちろん。ハリウッド系ドラマシリーズのようにコンテンツ力が強いならば話は別だが、日本からの事例を増やしていく戦略の中でえ、テレビ放送局以外への販売もも見すえるのであれば、1本あたりの長さの最適化という視点も必要になってくるかもしれない。

映像のネット配信事業者が増加し、オリジナル映像作品の引き合いが強くなっていることで4K映像やHDR(ハイダイナミックレンジ)を活用した映像の売り込みも活発になっている。これまでこうした先端映像技術を用いたコンテンツ制作は、NHKやBBCが主導してきた。

現在も基本的にこの流れに変化はないものの、彼らのような先端映像を積極的に扱う放送局以外……すなわち、細かな放送フォーマットの定義に大きくは影響されないネット配信業者が独自性を出すために4KやHDRに取り組んでいる。

前述のNETFLIXやアマゾンが4KやHDRに積極的なことは以前からだが、公共の電波を使わないネット配信業者が独自性を出すために、技術の変わり目である今の時期に積極的になっている。

4K専門の映像配信事業者が存在感

MIPCOM 2015でも「INSIGHT」という4K専門の映像配信事業者が、今回のMIPCOMでローンチし、グローバルでのサービスインを発表。「6000万世帯に4K映像を届ける」とぶち上げた。

INSIGHTのビジネスモデルはネット配信と衛星放送のハイブリッドモデルで、事業開始当初はインターネット配信で会員を確保。グローバルでのサービス展開をネット経由で行いつつ、世界中の衛星放送会社との契約も済ませている。

ドラマ、ドキュメンタリなど多様な4Kコンテンツを自社制作あるいは独自買い付けし、いち早くグローバルでの配信を行うことでブランディングを行い、プレミアムチャンネルとしての立ち位置を確保するという。最初の数年は無料で視聴可能で、その後、視聴者数が増えた段階で広告を入れ、また一部に有料コンテンツを交えることで収益を得る事業計画だ。

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