岐阜発「楽園企業」思わず笑える「傑作ドケチ」 好業績なのに、廊下は真っ暗!その理由は?

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山田氏の「ドケチな節電」傑作ベスト5とは?(撮影:和田 英士)
「日本一“社員”が幸せな会社」ともいわれる未来工業(岐阜県にある電気・設備資材メーカー)。同社は「残業なしの毎日5時退社」「休みの多さも日本一」などの理由で「楽園企業」とも呼ばれるが、実は創業者の山田昭男氏は「日本一のドケチ社長」としても有名だった。
社員約330人が働く本社には、コピー機がたった1台しかない。上場会社なのに本社玄関や廊下には電気がついておらず、いつも真っ暗。警備員室はあるが「おカネがもったいない」ので警備員ゼロと、コントみたいなドケチぶりだ。
その徹底したドケチぶりは、山田氏の遺作となった『山田昭男の仕事も人生も面白くなる働き方バイブル』に詳しいが、その一端を、未来工業を長年取材してきたルポライターが紹介する。

日本初!?「楽園とドケチ」が共存する企業

日本一“社員”が幸せな会社をつくった男の集大成! 未来工業創業者で名物社長、故・山田昭男が残した87の言葉を、図やイラストを加えてわかりやすく解説。「未来工業と山田昭男のすべてが1冊でわかる」「読めば仕事も人生も楽しくなる」と話題の1冊!

「楽園」と「ドケチ」――まったく異なる2つの顔を持つのが、岐阜県の電気・資材設備メーカーの未来工業である。

同社の「楽園」ぶりは、メディアでも多数取り上げられている。「毎日5時退社」「年間休日140日+有休最長40日」でありながら「驚きの高年収」を保証するなど、社員のやる気を引き出すためなら、休みとおカネを惜しみなく与えている。

その一方で、創業者の故・山田昭男氏は「日本一のドケチ社長」として、テレビにも数多く出演していた。

夏はエアコン代がもったいないので、もっぱらランニングシャツにパンツ一丁。エコブームが起きる前から、社長室の温度は夏でも28度を厳守。ポロシャツと作業用ズボンでテレビによく出演していた姿を記憶している読者も多いのではないか。

会社自体も、コピー機は会社に1台きりのうえに、10枚コピーすれば、機械が自動的に止まるように改造していたりと、筋金入りの「ドケチ」ぶりだ。当然、お中元や年賀状も禁止。

未来工業は平均経常利益率10%以上を保つ、下手な大企業をしのぐ優良企業でもある。「日本一“社員”が幸せな会社」と呼ばれつつ、「儲かり続けている会社」でもある。

にもかかわらず、そこまで「ドケチ」に徹する理由は、いったい何なのか? 

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