車の未来変えるのはグーグルやアップル

奥山清行氏が語る「自動車の二極化」

 10月27日、「グーグルやアップルが自動車産業に乗り込み、車の所有形態や運転方法を変えていく日は遠くない」と話す奥山清行氏。写真は都内で9日に撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 27日 ロイター] - グーグル<GOOGL.O>やアップル<AAPL.O>が自動車産業に乗り込み、車の所有形態や運転方法を変えていく日は遠くない。トヨタ自動車<7203.T>の「カローラ」やホンダ<7267.T>の「シビック」などの大衆車が活躍する時代はそう長くは続かないかもしれない――。

伊フェラーリなどの世界の名車を手がけてきた工業デザイナー、奥山清行氏(56)が、今週開幕する東京モーターショーに先立ち、ロイターのインタビューに応じた。   

同氏は、自動車産業を変える「ゲームチェンジャー」になるのは、グーグル、アップルなどIT企業による自動運転技術だと述べ、日本の自動車各社は「今のままでは、(IT企業にベース車を供給する)サプライヤーになるだろう」と警告した。   

グーグルが開発した自動運転車にはトヨタの高級車ブランド「レクサス」のSUV(スポーツ多目的車)をベースにした車もあり、すでに米国の公道で試験走行を実施。2019年にはアップルも自動運転車を投入する可能性がある。

そうした動きが広がれば、自動車市場は自動運転タクシーのような公共交通手段としての汎用車か、富裕層向けの高級車に「二極化」すると同氏は予想。シビックのような大衆車への需要や車を所有するという消費者行動は減っていくだろうと話す。   

現在、各自動車メーカーはユーザーの感性に訴える「エモーショナルなプロダクト」として車の価値を高めようとしている。しかし、「車はすでにコモディティ(大衆消費財)であり、もっと機能的で安くなければいけない」というのが同氏の見方だ。自動車メーカーは先進的なIT技術で車の機能性を高め、それによって収益を上げる戦略に注力すべきだと指摘する。

メーカー側も自動運転には取り組んでいる。日産自動車<7201.T>は18年に、トヨタとホンダは20年に高速道路で自動運転できる車の販売を計画。日産は同年には一般道での自動運転も目標に掲げている。   

しかし、自動車メーカーが進める自動運転はドライバーの乗車が前提で、「運転支援」の色合いが強い。一方、グーグルなどが進めているのはドライバーのいない無人運転で、大きな違いがある。  

無人のロボットカーが街を走り、客が好きな場所に呼び出す。そんな近未来のニーズに対応するには、自動車メーカーは「ハードウエア(車)だけではなく、それを含むシステム全体を売らねばならない」。各メーカーは「その方向にシフトしている」ものの、「グーグルはその先を走っている」のが現状だと同氏は指摘する。  

 

 

(白木真紀、白水徳彦、田実直美)

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