一流の人が実践している「健康な腸」の作り方 腸が元気だと肉体面・メンタル面も元気に

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難しいのは食物繊維だ。1日の摂取目安である20gは、レタスでいうと8個分にあたる。これを食事だけで摂取するのはかなり大変なので、私の場合、サプリメントを使うようにしている。発酵食品と食物繊維を意識的に摂るようにすれば、2週間ほどで体調がよくなるはずだ。

「毎日」続けることが重要

(イラスト : Naoki Shoji)

もうひとつ、外側からの刺激も大切だ。毎日30分ほどはウォーキングしたり、簡単なストレッチをするだけで、腸の動きは活性化する。決してハードなトレーニングをする必要はない。むしろ毎日続けることが重要なので、無理のない範囲でおこなうことをオススメする。最近はランニングをする人が多いが、あまりよくないのは朝食前に走ること。運動をするなら、きちんと朝食を摂って、腸が目覚めてから。腸が寝ている状態で刺激を与えてしまうと、むしろ逆効果で腸の調子を崩しかねないから要注意だ。

またデスクワークで座りっぱなしなど同じ姿勢が続く人は、4〜5時間おきに簡単なストレッチをして腸を動かすことをオススメする。姿勢が同じ状態で固まったままだと、腸の動きも悪くなる。たまに立ち上がって、腰をまわしたり、背中を伸ばしたりして、腸に外側から刺激を与えたい。

いまの季節、夏バテ予防にも腸の活性化が重要だ(編註:本稿は2015年8月発売の『GQ JAPAN』に掲載したコラムです)。重要なのは水分の補給。最低でも1日に1.5リットルの水を飲み、脱水状態を避けること。尿の色が濃いのは、脱水状態にあるサイン。意識的に水分を補給して腸を整え、さらに腹を冷やし過ぎないようにすれば、夏バテにもならないだろう。

腸が整えば、人生はうまくいく。肉体的、精神的に調子が悪いと感じている人は、腸を整えることからはじめてみてはどうだろうか。

小林弘幸(こばやし ひろゆき)/順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。1960年、埼玉県生まれ。自律神経研究の第一人者として、アスリートやアーティストの指導も行う。日本初の「便秘外来」を設立するなど、腸の重要性について早くから着目。著書多数。

 

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