【産業天気図・外食】居酒屋業態への逆風続くが、ファストフード、ファミレスは底打ち

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縮小

外食産業の2007年度見通しは、前期の底打ちを受け、今期は下期を中心にやや薄日が差す展開となりそうだ。
 外食総研の調べによれば、06年(暦年)の外食市場規模は前年0・1%減の24兆3592億円となった。9年連続の市場規模縮小となる。ファミレスや定食屋、ファストフードが上向いたのに対して、飲酒運転の取り締まり強化が大打撃となった居酒屋や料亭・バー等での減少が影響した。
 07年度は大きな基調に変化はないが、ファストフードは一段増が見込め、居酒屋もまだら模様ではあるがやや上向くと期待できる。上場会社でファストフード業界を牽引するのが、日本マクドナルドホールディングス<2702.JQ>だ。新朝食メニュー、「メガマック」など新商品が好調なこと、24時間営業店も期初想定以上に増えたことなどで、既存店売上高は前期比8%増の伸長、営業利益は前期比倍増の150億円を見込む。牛丼「すき家」を中心とした総合外食チェーンのゼンショー<7550.東証>も、回転すしのカッパクリエイト<7421.東証>、あきんどスシロー<2781.東証2>を持分法適用会社化してすし業態に本格参入するなど拡大基調が続く。
 他方、居酒屋チェーン大手のワタミ<7522.東証>は、介護関連は伸びるものの、主力の外食が国内新規出店を抑制し既存店も弱含みで見るなど低調が続く。積極的なM&Aを続けてきたコロワイド<7616.東証>も業態統合を進めるなど急拡大は一服。ただ、同社は前期に赤字店の閉鎖や減損も済ませており、業績は底打ち反転となる。
【風間直樹記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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