「老いの境地」、56歳・浜田宏が金融市場に挑む デル、HOYAでの経験を活かせるか

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家探しという最初の部分からお客様にアプローチし、自然な流れで住宅ローンを提案して、貸したあともお客様に寄り添う。これが、住宅ローンを核にしたサービス業、プロデュース業というわけです。これを「住生活プロデュース企業」と呼んでいます。

あえていえば オリックスのBtoC版みたいなものでしょうか。でも、こうした新たな取り組みにおいて、手本になる企業はこれまでにありませんね。自分たちで切り開いていくことになります。

――業界からの風当たりは気になりませんか。

そうしたことは感じたことがありませんね。むしろ、ボトルネックになっているのは、いろいろなアイデアが出てきたが、人が少ないので実行に移せないという点。会社の中の方が問題だといっていいですね。もしかしたら警戒している会社もあるかもしれませんが、私が経営トップに就任したのが5月ですし、まだ実態を伴っていないところがありますからね。

もともと、法律と監督官庁の管理の目が厳しく、減点主義の会社が多い世界ですから、好き勝手なことができにくかったり、失敗を恐れる風土もある。しかし、文化系でいちばん優秀な人たちが集まってくる業界でもあります。これからどう変化するのか楽しみではあります。

セブンのような会社を目指したい

アルヒは、販売力とブランド力において、金融業界から注目される会社になるはずです。あそこはなにかやりそうで面白い、あるいは、エッジが利いていて、とてつもない営業力があって、なんでも売れる。その点では、金融業界のセブンーイレブンのような会社といえるかもしれません

――2020年の姿はどう描いていますか。

モーゲージバンクという観点でいえば、フラット35の取り扱いでは、押しも押されぬ、ジャイアントになることを目指します。また、フラット35以外にも、学資ローン、リフォームローン、投資ローンといった金融商品を扱っていきます。ノンバンクとしての存在感をいま以上に高めたいですね。また、不動産業界においても、いちばん使いやすい住宅ローンを提供してくれるというイメージが定着したり、住宅ローンを紹介するのならば、アルヒにすればと言ってくれる人が多いという存在になりたいですね。不動産情報サービスでも、不動産業者にとっては、自分たちの情報を載せやすい環境を作り、一般消費者に向けては、物件情報や情報検索がしやすいという状況を作りたい。

2020年の目指すブランドイメージは、日本で最もユニークな住生活プロデュース業、あるいはサービス業として知られること。収益では、3桁の億単位を目指します。

大河原 克行 ジャーナリスト

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おおかわら かつゆき

1965年、東京都出身。IT業界の専門紙である「週刊BCN(ビジネスコンピュータニュース)」の編集長を務め、2001年10月からフリーランスジャーナリストとして独立。IT産業を中心に幅広く取材、執筆している。現在、ZDNetの「大河原克行のエンプラ徒然」(朝日インタラクティブ)、PC Watchの「パソコン業界東奔西走」(Impress Watch)、クラウドWatch、家電Watch(以上、Impress Watch)、ASCII.jp (KADOKAWA)、日経トレンディネット(日経BP社)などで定期的に記事を執筆。著書に、「ソニースピリットはよみがえるか」(日経BP社)、「松下からパナソニックへ」(アスキー・メディアワークス)、「図解 ビッグデータ早わかり 」(中経出版)など。

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