ラグビー、日本フィーバーは終わっていない 訪日客増加に繋げる大きなチャンス

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ロンドンのジャパンパビリオンに貼られていた「作品」の数々

日本は確かにベスト8には残らなかったが、今回の大会では間違いなく「敢闘賞」の特別表彰を受けてもよさそうだ。大会を主催するワールドラグビーはそれに向けた伏線を打っている。

ワールドラグビー「ベスト・モーメント」の案内。南ア戦への投票は#RWCJAPAN

決勝当日の10月31日まで、大会の公式フェイスブックページで「ラグビーW杯史上のベスト・モーメント(最高の瞬間)を決める投票を実施している。4つあるベスト・モーメントの候補のひとつとして、日本代表が南アフリカ代表に勝利した瞬間がエントリーされている。

ファンからの最多得票となった「瞬間」を決勝翌日に表彰するとしているが、目下のところ、日本×南ア戦が選出される可能性が非常に高い。世界中のファンが客観的に日本代表を讃え、それを次期大会に繋げようとする主催者の熱い心が見え隠れする。

フェイスブック上で日本代表のサポーターたちに投票を呼びかけている、ファンページ運営者の1人、永井典子さんは「皆さんそれぞれの力で大きな結果をもたらしましょう。今度はファンが伝説を作る番」と訴えている。

日本への興味が高まっている

世界のラグビー界、いや世界の人々からの大きな注目を浴びているニッポン。皮肉にも、政府が進めている「○○という町は▽▽というものがあってこんなに楽しいですよ。ぜひお越しください!」といったプロモーションとは全く異なる形で流行る結果になっているが、どんな形であれ「外国人に日本に興味を持ってもらう」ことが重要だ。

国内外で盛り上がるラグビー日本代表フィーバーを、訪日客誘致拡大につなげるのにどう役立てるか。次期大会の開催都市だけでなく、全国の街々がこのテーマに積極的に取り組むことを期待したい。
 

さかい もとみ 在英ジャーナリスト

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Motomi Sakai

旅行会社勤務ののち、15年間にわたる香港在住中にライター兼編集者に転向。2008年から経済・企業情報の配信サービスを行うNNAロンドンを拠点に勤務。2014年秋にフリージャーナリストに。旅に欠かせない公共交通に関するテーマや、訪日外国人観光に関するトピックに注目する一方、英国で開催された五輪やラグビーW杯での経験を生かし、日本に向けた提言等を発信している。著書に『中国人観光客 おもてなしの鉄則』(アスク出版)など。問い合わせ先は、jiujing@nifty.com

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