東ソーがリチウムイオン電池材料で攻勢、EV拡大に商機あり

拡大
縮小

新たな正極材原料を開発 安全性と長寿命化に貢献

激戦の中、正極材の分野で存在感を発揮する企業の一つが、総合化学メーカーの東ソー。手掛けるのは正極材そのものでなく原料の素材。特に車載向けで有望だ。

東ソーは今年2月、正極材原料として「化学合成法マンガン酸化物」と呼ぶ素材を新たに開発、グループ企業を通じ日向工場(宮崎県)で、年5000トン規模での量産を13年春に始めると発表した。

マンガン酸化物は、正極材であるマンガン酸リチウム(LMO)やニッケル、コバルト、マンガンで構成する三元系のいずれの原料ともなる(図参照)。マンガンには正極材の結晶構造を強固にして、十分に充電された状態でさらに電荷を蓄えようとする「過充電」の際、発火する危険性を抑える特長がある。EV用電池の正極は電池設計に合わせて複数の材料を混合するケースが多いが、マンガン系は安全性を重視するEV用で有望視されている。


関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT