超一流のアイデア理論と料理上手は似ている 煮詰まってしまうのは頭で考えすぎるから

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ところで、アイデアを生みだすお作法で最も重要なステップが「何もしない」~その仕事とまったくちがうことをするとお伝えしましたが、どんなことをしたら良いのでしょう?

アイデアが生まれやすい瞬間がある

これまで「はたらく女性のかていきょうし」として、働く女性をコンサルティングする中でいろいろなアイデアを出してきました。その経験上、アイデアが生まれやすい「儀式」があるということに気づきました。その「儀式」とは次の3つです。

水の儀式

アルキメデスが湯船に浸かった時に、浮力というアイデアがひらめいたのは有名な話。水には不思議なチカラがあるのか、入浴、シャワー、手洗い、皿洗いなど水に触れる行動は、アイデアが生まれやすいようです。

② 歩の儀式

「哲学の道」があるように、決まったルートを散歩して考える哲学者が多いようです。スティーブ・ジョブズもよく散歩して考えをまとめていたとか。散歩はアイデア出しに効果的な儀式ですが、仕事場から離れてトイレに歩いて行くだけでもアイデアが生まれやすくなります。

③ 作の儀式

庭いじり、料理など手作業をしているときにアイデアがひらめくという話もよく聞きます。あまり考えず、集中しながら手のひらに刺激を与える作業も、アイデアがひらめく効果的な儀式の一つです。

机に向かってずっと考え続けていると、マズいアイデアしか生まれません。お料理に共通した組み合わせのお作法を上手に使うと、上質なアイデアを生みだすことができます。最後に、このお作法を使う上で大事なコツをご紹介します。それはアイデアを考えているテーマについて「アンテナは常に立てておく」こと。頭の中のどこかで意識をし続けることが、アイデアを生みだす秘訣です。

アイデアと言えば、ニュートンは頭の上にリンゴが落ちるという奇跡的なきっかけで、万有引力のアイデアがひらめいたとされていますが、あれは作り話。歴史に残るあのアイデアも、彼がアンテナを立て続けていたからだというのが本当のようです。

「あなたは、どうやって重力の法則を発見したのでしょうか(リンゴのおかげですか)?」と聞かれたとき、ニュートンはこう答えたそうです。

「年がら年中、そのことばかりを考えていただけです」〜 アイザック・ニュートン

 

タブ タカヒロ ビジネスコンサルタント、はたらく女性のかていきょうし

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たぶ たかひろ / Takahiro Tabu

東亜大学トータルビューティ学科客員准教授。外資系アパレル2社→MBA取得→コンサルティングファームという経歴で現在に至る。新卒でやたらと有能な女性の多い職場で女子力を鍛えられ、海外勤務も経験。MBA取得後、コンサルティングファームにて、男くさいロジックと競争の世界に翻弄され、一瞬自分を見失ったものの、土壇場で開眼。周りを巻き込み味方を増やしてわくわく仕事をするスタイルを確立。週末にライフワークとして行っている「はたらく女性のかていきょうし」は大人気の数カ月待ち。セミナー開催や、雑誌取材など多方面で活躍中。共著に『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書き」ノートを使うのか?』(KADOKAWA)。

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