男の子の育児には、もっと「父の力」が必要だ 「しからない育児」には限界がある

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男の子の面白さのひとつは、この真っすぐな感覚です。大人になるにつれて、この真っすぐな迷いのなさがだんだんと失われていきます。

ですから、子ども時代特有の真っすぐで純粋な生き方を、お母さんも見守って、そこを面白がってしまいましょう。

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時には、息子の足りないところを指摘し、ダメなところを怒る場面があってもいいと思います。でも、それと同じくらいに、いえ、それ以上に息子の良いところを見つけて、褒めてほしいのです。

大好きなパパやママに認められ、褒められることは、息子にとって天にも昇る喜びです。思い出してみてください。あのときもこのときも、息子さんは必ずえもいわれぬ満面のいい笑みを向けてくれたでしょう。

では、褒めるにはどうしたらいいのでしょう? たまに「うちの子、褒めるところなんてないですよ」という親御さんに出会います。でも、褒めるところは必ずあります。そのためのコツは視点を変えることです。

たとえば、わが子の「純粋」な性格は、視点を変えれば「頑固」とか「融通が利かない」という否定的な見方につながります。でも良くとらえるのも悪くとらえるのも、親次第です。「うちの子は気持ちが真っすぐで、集中力がある!」と、意識的に長所としてとらえれば、わが子へのダメ出しはグンと減ります。それに、物事は肯定的にとらえたほうが親の精神衛生にもいいはず、ストレスもたまりにくいはずです。

わが子の褒めポイントは、お父さんやお母さんのまなざし、わが子をどう見るかにかかっているのです。

お母さんには、息子とのズレを楽しんでほしい

ここまで、「オタク」「プライドが高い」「純粋」と男の子の主な特性を3つ、紹介してまいりました。それでも、お母さんにしてみると、「男の子って大変!」「男の子がわからない!」という思いは拭えないかもしれません。

それでは、お母さんは、息子がどんな子どもだったらうれしいかというと――。

「言うことを聞いてくれる子」
「ちゃんと落ち着いてご飯を食べてくれる子」
「突然走り出さない子」
「人前でパンツを脱がない子」

 

たぶんこんなところではないでしょうか。なんだか志が低いような気がしますが、それだけ、日々言うことを聞いてくれず、困っているということだと思います。

しかし、当の本人は、お母さんが何を怒っているのか本当にわかっていません。きっと「僕は普通なのに、お母さんが変!」くらいに思っていることでしょう。

このズレこそが、お母さんの男の子に対する怒りや困惑の原因です。

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