米国は12月、間違いなく利上げに踏み切る

実体経済順調、金利正常化は正しい政策だ

株式市場の混乱が収まり、12月の米国利上げはありうるとの見方が浮上(写真:kasto/PIXTA)

9月末以降に株式市場の混乱が収まったが、その理由として以下の二つが挙げられている。中国株式市場が落ち着いたことと、9月の米国雇用統計の数字が悪く米国の利上げが遠のいたことである。

しかし、中国の株式市場が落ち着いたから、という説明はもはやほとんど聞かなくなった。中国株式市場と世界株式市場とは無関係であることはいまや当たり前とされ、誰も上海市場の動向が云々といった説明をしなくなったし、上海指数を気にしなくなった。

同様に、米国利上げ延期も理由ではないことが明らかになっていくだろう。9月17日のFOMC(米国連邦公開市場委員会)で利上げが実施されなかった結果、米国および世界の株価は暴落した。利上げ懸念が株価下落の要因という説明とは矛盾したものだった。

株価乱高下のステージは終了した

米国金利の見通しの不透明性が株価の不安定をもたらしている、という説明とは一応整合性は取れるが、据え置き発表後に株価は上昇し、翌日下がったことを考えると、不透明性を理由に乱高下を演出した短期のトレーダーがいた、という説明は成立する。しかし、中期的目的で保有している投資家が、米国金融政策の不透明さにパニックになり、株を投げ売って乱高下が起きた、という説明では説得力がない。

10月3日に発表された9月の雇用統計が予想よりかなり控えめな増加だったため(実は、悪かったという言葉では語弊がある。雇用の改善の度合いが思ったほど急激ではなかったということだから)、利上げが遠のいたという認識が広がり、株式市場の混乱に終止符を打ったと解釈されている。これは、発表直後に株価が大きく上げ、その後乱高下することなく上昇基調にあるので、一応の説得力はある。

しかし、この説がおかしいのは、ここにきて世界株式市場の混乱が収まったから12月の利上げはあり得る、と見方が変わってきたことだ。利上げがなくなったから株価が上がり、株価が上がったから利上げが行われるのであれば、株価はやっぱり下がるのではないか、という論理のほうが筋は通っている。利上げがなくなって株価が上がった、というほうが誤りだ。

前回書いたように、暴落の真の原因は原油暴落をきっかけとする一部のファンドのポジション整理である。それが9月末にほぼ終わり、乱高下を演出しても利益が出なくなったトレーダーたちが手仕舞いをした。そこへ絶好の材料である「利上げ延期」という要素が流し込まれたのである。この乱高下のステージが終了したことで、利上げ延期という材料はどうでもよくなり、利上げ再燃でも株価は反応しないのである。

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