話がうまくなる「ちょっとした」小道具&コツ アナウンサー+人気落語家の「裏ワザ」を紹介

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魚住:では、「えー」をどうやって減らせばいいか。「えー」の代わりに、よく「まぁまぁ」と言う落語家さんもいますね。

コツ3.「えー」「あのー」に代わる言葉を用意する

昇太:それは、柳家喬太郎さんね。喬太郎さんは文章と文章のつなぎに「まぁまぁ」ってよく言うんです。「そうなんですね。まぁまぁ、こんなこともありましてね」とつなげていく。

魚住:「置き換える言葉」を用意するわけですね。柳家喬太郎さんとは長くインタビュー番組をしていましたが、絶対に「えー」「あー」を言わなかったですね。話がすっきりスマートに聞こえて、すばらしかったと思います。

「伝える力」がある者が生き残る

魚住:ここまで、「話し方」について春風亭昇太師匠と話してきました。最後に昇太師匠からメッセージをお願いします。

昇太:「人間がなぜ人間か」という深い話をしたいと思うんです。人類の長い歴史の中で、人類っていろんな種族がいましたよね、ホモ・サピエンスとかネアンデルタール人とか。でも結果として、ネアンデルタール人が滅びて、ホモ・サピエンスが生き残った。諸説ありますが、ホモ・サピエンスよりもネアンデルタール人のほうが、筋肉や体は丈夫だったと言われているのに、です。

魚住:なぜなんですか?

昇太:ネアンデルタール人と生き残ったホモ・サピエンスの最大の違いは、「モノを伝える力」がホモ・サピエンスのほうがあったからだと僕は考えています。要は「話せた」ということ。初期のネアンデルタール人の石器と、初期のホモ・サピエンスの石器は、作り方や形は一緒なんだけど、差がどんどん出てくる。「後世に伝えていく」ということを、ホモ・サピエンスはできたんですよ。だから生き残った。

魚住:「伝える」ということが、人間にとってものすごく重要なことだったんですね。自分が成長するために話す。「伝えるように話さなければいけない」というのが大事なんですね。

昇太:そうです。だから、この魚住りえさんの『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』という本がある。この本を読んだものが生き残る。

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魚住:師匠、ありがとうございます(笑)。「なぜこの本を書いたか」というと、少しでも多くの方に「新しい人生の扉を開いてほしい」と思ったんです。「声と話し方」に少しでも自信が生まれたら、毎日が楽しくなる。「あのときどうすればよかったかな?」と思ったとき、すぐわかる構成になっているので、いつもそばに置いて、困ったときに見返し、末永く仲良くしてあげてください。みなさん、今日はお越しいただき、ありがとうございました。

魚住 りえ アナウンサー

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うおずみ りえ / Rie Uozumi

フリーアナウンサー。元日本テレビアナウンサー。ボイス・スピーチデザイナー。大阪府生まれ、広島県育ち。1995年、慶応義塾大学卒業後、日本テレビにアナウンサーとして入社。報道、バラエティー、情報番組などジャンルを問わず幅広く活躍。代表作に『所さんの目がテン!』『ジパングあさ6』(司会)、『京都心の都へ』(ナレーション)などがある。2004年に独立し、フリーアナウンサーとして芸能活動をスタート。これまでおよそ500本の作品に携わる。とくに各界で成功を収めた人物を追うドキュメンタリー番組『ソロモン流』(テレビ東京系列)では放送開始から10年間ナレーターをつとめた。各局のテレビ番組、CMのナレーションも数多く担当し、その温かく、心に響く語り口には多くのファンがいる。また、およそ30年にわたるアナウンスメント技術を活かした「魚住式スピーチメソッド」を確立し、現在はボイスデザイナー・スピーチデザイナーとしても活躍中。声の質を改善し、上がり症を軽減し、相手の心に響く「音声表現」を教える独自のレッスン法が口コミで広がり、「説得力のある話し方が身につく」と営業マン、弁護士、医師、会社経営者など、男女問わず、さまざまな職種の生徒が通う人気レッスンとなる。現在は、定期的に10~15人を募集し、スクールでグループレッスンを行っている。魚住式スピーチメソッド

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