今夏、アメリカのテレビ業界に激震が走った

業界の寿命を真剣に考えてみた

テレビ業界は、本当に苦難に陥っているのだろうか(写真 : Novic / PIXTA)
この記事はデジタルマーケティング戦略に特化したメディア「DIGIDAY[日本版]」(運営:インフォバーン)の提供記事です

2015年8月初旬、ディズニーの代表取締役であるボブ・アイガー氏が、「米スポーツ専門チャンネルESPNは、この1年で加入者が減っている」と、発言したことで、テレビ業界に衝撃が走った。ESPNは、テレビ業界に蔓延する「デジタルディスラプション(デジタル時代の創造的破壊)」の影響を受けない放送局だと多くの人に考えられていたからだ。

同氏は、2014年にテレビ局へおよそ470億ドルもの収益をもたらした、ディズニーの有料番組の加入金を減額したことでも知られている。アイガー氏の発言を発端に、メディア企業や有料番組のプロバイダーたちからのコメントも相次ぎ、テレビ関連株にとっては残酷な日がしばらく続いた。そして、これら一連の騒動が、テレビ業界は苦難に陥っているということを示す結果となったのだ。

しかし、本当にそうなのか? テレビ業界にも、先頭に立ってリードする者はいる。「マッドメン」(原題:「Mad Men」)、「ゲーム・オブ・スローンズ」(原題:「Game of Thrones」)や「ハウス・オブ・カード 野望の階段」(原題:「House of Cards」)などが放映され、ファンにとってテレビは、これ以上ないほど魅力的なものになっている。メディア評論家のマイケル・ウルフ氏も、なぜこのメディアが新たな最盛期に突入したのかを題材とした書籍を書き上げているくらいだ。

そんなビジネスのエコシステムが変化しているなか、テレビの支持者とテレビの衰退を憂う者たちの意見をまとめた。

番組は見ないが、テレビ利用は増えている

米マーケティング調査会社ニールセンによると、2015年の6月から7月中旬までの視聴率は前年同月比で、ケーブルテレビのトップ30の視聴率を誇るゴールデンタイムの番組は、10%ほどの落ち込み。特に視聴率を支える18歳から49歳までの人口に絞って見てみると、20%も落ち込んでいるという。

しかし、これは人々が機器としてのテレビを利用していないという意味ではない。テレビの支持者によれば、視聴者たちがテレビを放映と同時に見ていないだけだと話す。また、NetflixやHuluなどの動画配信サービスの存在が、テレビと人々との関連性を保っているとも指摘する。Netflixはアメリカだけで4200万人もの加入者を持ち、Huluも1000万人の顧客を抱えているからだ。この両者は「ハウス・オブ・カード 野望の階段」(原題:「House of Cards」)や「Difficult People」などのオリジナルコンテンツの制作も行っており、これらの動画コンテンツはいずれもテレビで視聴されるのに変わりはない。

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