後輩との関係:ときに伴走して支援するスタンスを

後輩との関係:ときに伴走して支援するスタンスを

2012年は山の神(柏原竜二選手・東洋大)の活躍で注目を集めた箱根駅伝。ただ、1年前に学生駅伝で3冠を達成して注目を浴びたのは早稲田大学。その監督である渡辺康幸氏が若手育成でも注目をされているのはご存じですか?

渡辺氏の経歴は栄光と挫折の繰り返しでした。学生時代は長距離界のエースとして大活躍。箱根駅伝で区間新を連発。大学卒業後は瀬古利彦の指導を受けて、マラソンでオリンピックを目指しました。ところが卒業後は脚光を浴びることなく引退。度重なるケガに悩まされました。

ある意味、志半ばで選手生活にピリオドを打ったのでしょう。そんな渡辺氏が母校駅伝部に指導者として凱旋したのです。ただ凱旋といっても、その当時の早稲田大は箱根駅伝でシード権を失っていた低迷状態。ところが、現在は確実に上位に食い込む強豪に復活させたのです。この原因は明らかに渡辺氏の選手に対するマネジメント力にあるのではないでしょうか?

私は渡辺氏と仕事で2回ほど対談をさせていただき、その折りにイマドキの選手マネジメントを教えていただく機会を得ました。そこで登場したキーワードは伴走すること。曰く、

「10年前まで監督の命令は絶対でした。それに従うのが当たり前。ところが、最近の若者は命令してもついてきません」

頭ごなしに「やれ」と指導するだけなら総スカンを食らうだけ。すぐそばで「頑張れ」と励まし「困ったら力になるぞ」と支援することで選手はやる気を高めて、成果につながるのだそうです。そんなマネジメントを象徴していたのが11年の箱根駅伝。

これまでの監督は「いいから頑張れ」と伴走車から檄を飛ばしていたもの。ところが、渡辺監督は車から飛び降り、選手と並んで走って激励。声をかけて水を手渡しました。4年生には「すべてを出し切れ!」と最後の箱根を後悔させないように気合を入れたのです。

 

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