まるで奴隷?コンビニ「FC問題」の深すぎる闇

本部と加盟店、どこに不公平が生じている?

――飲食店のフランチャイズでも、コンビニのような構造的な問題は起きているのか?

私が知っているものでは、集客や運営などのノウハウが確立していないにもかかわらず、儲かるふりをして、加盟金を集めるだけ集めて、さっさと市場からいなくなるというケースがありました。契約書も、本部が一方的に有利になるように作られていました。

加盟金は、コンビニの場合、純粋な加盟金は50万円、加盟時必要金は300万円くらい。一方、ある飲食店フランチャイズの場合では、800万円という高額のものありました。そこは本当にひどくて、ノウハウや「のれん」にほとんど価値もなかったんですが……。

もちろん、加盟希望者の側も、高い加盟金や開店資金を払ってまで利益が出る「特別なノウハウ」が本当にあるのか、ということを事前に検討しないといけません。飲食店の場合、だいたいの利益率はわかっているのだから、ロイヤリティを支払っても経営が成り立つのか、そういう情報を調べたうえで、加盟するべきです。

しかし実際のところは、フランチャイズ本部の情報を鵜呑みにして、多額の資金を投じるケースが後をたちません。コンビニの場合、中途退職した人が退職金全額をつぎ込んで、全て失った人もいます。

国は労働者の最低賃金を大幅に上げるべき

――こうした問題は、どうすれば解決するのか?

フランチャイズ本部だけが儲かっているというのは、そもそも不公正です。公正な経済のあり方ではないと思うんです。

もし日本が、フランチャイズ加盟店しか職場がないような状況になれば、そこで働く人みんなが奴隷のような環境におかれたり、違法な労働条件で働かされたりするということになります。

やはり、契約前の情報提供を徹底させるのは当然のこととして、加盟店や従業員にきちんとお金が入るようなビジネスモデルにすべきです。国としても、労働者の最低賃金を大幅に上げるべきでしょう。そして、そういう責任をフランチャイズ本部に法的に課すべきだと考えています。

中野 和子(なかの・かずこ)弁護士
2000年からコンビニ・フランチャイズ問題に取り組み、セブン―イレブン以外に、サンクス、ローソン、ファミリーマートなど加盟店側でコンビニ本部と訴訟を展開。元日弁連消費者問題対策委員会副委員長、元第二東京弁護士会副会長。
事務所名:シンフォニア法律事務所

 

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