ギリシャのユーロ圏離脱がなければ、欧州の債務問題は長期化する

欧州債務危機はギリシャの債務削減交渉が妥結し、第2次支援が決まったこともあり、小康状態にある。最悪期は脱したとの見方も増えている。ギリシャの交渉妥結や今後の欧州債務問題の行方について、米欧経済に詳しいデイヴィッド・マーシュ氏に聞いた。
 
 マーシュ氏は、1978~95年に英国経済紙フィナンシャル・タイムズの記者を務め、現在は中央銀行や民間金融機関などで構成する公的通貨・金融機関フォーラム(OMFIF)共同議長、英国基盤の投資銀行ロンドン&オックスフォード・キャピタル・マーケッツ会長などを務める。2009年に『ユーロ 統一通貨誕生への道のり、その歴史的・政治的背景と展望』(邦訳・一灯舎刊)を著しており、ユーロ問題に関して欧米メディアでの論評も多い。


--ギリシャの債務削減を巡る同国政府と民間投資家の交渉がまとまり、ギリシャに対する総額1300億ユーロ(約14兆円)の追加支援が行われる。懸念された無秩序なデフォルト(債務不履行)が回避されたわけだが、これでユーロ債務問題は大きく解決の方向へ動き出すと見るか。

いぜんとしてリスクはほかにも数多く存在しており、今回のギリシャの債務削減交渉の妥結は債務問題の状況を大きく変えるものとはいえない。ギリシャはこれで持続可能な債務ポジションになったとは言えないからだ。

ギリシャが債務の持続可能性を得るには、なすべきことがいくつかある。債務削減が実現したことは前進ではある。ただ、ギリシャには政府支出を賄う税収を生み出すための経済成長が必要だ。また、世界に向けて輸出を伸ばすために国際競争力を高めなければならない。さらに国民の間に、現在の緊縮政策が将来のハッピーエンディングにつながるという信頼を生むことが重要だ。そのため、今回の債務削減は一つの希望に過ぎず、先行きには依然として険しい道のりが待っている。

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