富士フイルム「レトロ風カメラ」の意外な魅力 レトロなデザインと癖のある操作性

✎ 1〜 ✎ 22 ✎ 23 ✎ 24 ✎ 最新
拡大
縮小

しかし弟分とはいえ、1630万画素のX-Trans CMOS IIセンサーや位相差AFのスピードなども、X-T1と同等だ。プロにとってはサブカメラとして優秀といえるが、そうでない人にとっては十分に性能を楽しむことができるカメラだ。

センサーはローパスフィルターレスで、細部まで非常にはっきりとした絵が得られ、後述の豊かな色味と合わせて、ただシャッターを切るだけで違った世界を切り取ってくれるような感覚になる。

レトロなデザインと癖のある操作性

左側にモードドライブダイヤル、右側にシャッタースピードダイヤルと露出補正ダイヤルが並ぶ

スタイルを一言でいえば、レトロ。マグネシウム合金を使ったボディは、がっちりとしていながら、381グラムと軽い。ここにストロボや電子ビューファインダーが内蔵され、コンパクトにまとめられている。

ボディの天面には、ドライブモード、シャッタースピード、露出補正のダイヤルが3つ並んでいるが、一般的なカメラに備わっているモードダイヤルはない。絞りはレンズのダイヤルで調整でき、もしシャッタースピード優先にしたければレンズの絞りをオートに設定、絞り優先にしたければ、シャッタースピードのダイヤルをAに合わせればよい。

この仕組みを理解するまでは、直感性に欠ける印象をどうしても覚えていた。しかしモードダイヤルがないということで、操作がひとつ減ったとも考えられる。

たとえば筆者の場合、絞りこそコントロールするが、シャッタースピードを操作することは、これまでのカメラを触っているときもほとんどなかった。つまり、プログラム以外であれば、モードダイヤルでいうところの「A」、絞り優先を使うことが多かったのだ。ということは、X-T10では、シャッタースピードをオートにしておくだけでいいわけだ。

この操作性になると、思いどおりの写真が得られなかった場合、露出補正ではなく、シャッタースピードをマニュアルで設定して撮るようになった。より積極的にカメラを操作するにようになり、これがなかなか楽しい体験だった。 

次ページ簡単操作のためのさまざまな機能
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT