三木谷構想"2020年観光客1億人計画"とは? 「日本のプラットフォームを変えればできる」
三木谷:これまでたくさんあったハードは、シェアリングエコノミーによって効率化が進み、数が減る。これがひとつ。もうひとつが、これからはすべてのハードがコネクテッドデバイスになっていく。もう腕時計にまでなっちゃった。コネクテッドされていないデバイスの価値は下がってくる。組立産業だけで食っていく時代は終わったワケです。にもかかわらず、アベノミクスにおいて、まだモノづくり神話に対する依存度が高いのが気になります。
山田:モノづくりがすべてダメなわけではなく、勝ち残れるものはありますよね。コマツ、オムロンなどITを活用した独自の付加価値で成功している企業もあります。
三木谷:もちろん。とくにブランド戦略はいいと思います。中国の人たちがパナソニックの炊飯器をバンバン買っていくように、それはそれでどんどん進めていったらいい。ただ、そういうものはいずれ追いつかれます。
民家に泊まれるようにするべき
山田:モノづくりを保護するより、インバウンドで1億人を狙うべき、ということだと思いますが、1億人を達成するためには何が必要でしょうか。
三木谷:1億人という数字に根拠があるわけではなく、素朴なアプローチです。マレーシアは6000万人で、フランスは9000万人。それを超えられると思うのです。日本には、北海道から沖縄まであって多彩な観光資源がある。食べ物も美味いし、サービスもいいし、温泉だってある。どう考えても1億人はいけますよね。
でも宿泊する場所が不足している。だったら民家が6軒に1軒空いているんだから、それを使いましょうよと。特にヨーロッパの人は、日本で農業体験をしたいという思いがあるので、民家に泊まりたい。それを実現していくのが、新しい世界です。
山田:日本ではカジノ法案もなかなか進まない。地域住民の合意を取れれば設置できる、という形で早く基本法を作る必要はありますね。
三木谷:いや、僕はカジノについては慎重派です。
山田:慎重派ですか。なぜでしょうか。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら