「強い職場」に共通する30代の活かし方[第4回]--30代が活躍する、若手・中堅社員がすごい会社

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■CASE2:若手社員が役員を部下にする(精密機器メーカー)

ある大手精密機器メーカーには、ある特別な制度がある。本業の仕事とは別に、自ら気づいた問題や課題に対して、自らがリーダーとなり、部門をまたいだメンバーを確保して解決を目指していく仕組みだ。この制度の下では、20代や30代の社員がリーダーとなって、活動を進めることも多い。過去には、30代の社員がリーダーを務めたチームにおいて、チームメンバーに役員が選ばれたこともあったという。

既存の組織の枠にとらわれることなく、ミッション達成のためにチームをつくることを奨励しているため、「役職がないから、やりたいことをやれない」という言い訳で逃げることができない。結果的に、「問題意識を持った人が手を挙げてやる」という風土が生まれ、組織活性化につながっているのだ。異なる専門性、視野を持ったメンバーがぶつかり合うことで、新しい発想を生む風土につながっている。

これらの企業のように、30代社員が主体的に行動して、組織に影響力を発揮することは組織活性化に確実につながっていく。30代社員の姿は組織の縮図といってもいい。30代社員の活性化なくして、組織の活性化はないのだ。


吉田実 よしだ・みのる
株式会社シェイク代表取締役社長、2003年シェイク入社、09年より現職。社長業の傍ら、ファシリテーターとして年間100本以上の育成プログラムのファシリテートを務める。現場に立ち人材育成を手掛ける中で、30代に起こっている現状を問題視するようになる。数々の経営者、人事担当者の声を聞きながら、育成プログラムを開発。著書に「新・ぶら下がり社員」症候群(東洋経済新報社)。

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