なぜ、娘は母の呪縛から逃れられないのか

結婚が決まると見えてくる「親」という毒

彼の学歴が、彼女の母親が認めているレベルよりも低かったからです。この不安が彼女から喜びを完全に奪い去ってしまったのです。

百合香さんの母親は、細かい生活全般に渡って、いちいち口を出す人でした。話を聞けば、まさに過干渉そのもの。ちょっと度が過ぎていると感じるものでした。下着の色までチェックしたというのですからね。

百合香さんは小学校のときから私立の女子校に通っていたのですが、学校の規則が厳しくて、下着の推奨メーカーまで決まっていました。もちろん色は白以外認められていません。

離婚して、女手ひとつで娘を育ててきた母親は、彼女を問題児にしたくない一心で、校則をきっちりと守らせるために、下着の色から始まってスカートの丈の長さや爪の長さまで、いちいちチェックしたといいます。

母親の懸命さが、子どもの中で毒化

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そんな極度に過干渉の母親と2人だけでずっと生活してきましたから、百合香さんは彼女にとってはそれが常識となっていました。

でもだんだんと大人になって、自分の人生を考え始めたとき、違和感を覚えるようになったのです。

「マレさん、私は自動販売機でジュースを買うときでさえ、『これは母親が怒るかな』と思ってしまうんです」

彼女の状態は深刻でした。彼女の心は完全に母親のおりに入れられてしまっていたのです。ですから、彼からプロポーズされたという最も喜ぶべきときに、彼女の心には大きな不安が押し寄せていたのです。

母親は一生懸命でした。決して毒親と呼ばれるような悪人ではありません。けれども結果として、百合香さんの中で、母親の影響は毒化し、結婚を真剣に考え始めたとき、その影響の深刻さが一気に顕在化したのでした。

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