業績低迷するパナソニックがついに経営陣刷新。大坪社長の“陳謝”、津賀新社長の“信念”

--パナソニックの新たな成長の柱をどこに見出していくか。

大坪 われわれはテレビに代表されるようなデジタル家電市場において、技術的優位に自信をもって戦ってきたが、大きな競争力をもてなかった。今後は、家電単品のみで韓国、中国メーカーに対抗するのではなく、パナソニックがもつあらゆる製品・リソースを環境、エネルギーを軸につなぎあわせて売る「まるごと事業」で勝負していく。この新たな土俵については、まだ明確なもの(=実績)はない。しかしこれはわれわれが手本のない分野に取り組んでいるからである。

津賀 大坪が申したように、「環境まるごと」というのは新しいキーワードではある。しかしこれだけの規模の会社、「まるごと」事業だけですべてが語れるわけではない。今の私にとっては、「まるごと」に近い、「エコ&スマート」という方がしっくりくる。「エコ&スマート」。それはすなわち合理的かつ、無駄を省くこと。それを全社共通のワードにし、全社的な成長の可能性を見出していきたい。

--(津賀専務に対し)趣味と座右の銘は。

ゴルフと車の運転が好きだ。座右の銘は特にないが、心がけていることは「自責」。自分の責任という意味での自責という言葉である。

--今期は巨額赤字を計上する見通し。危機感を抱いているか。

津賀 昨年4月から担当しているテレビ事業が原因で巨額赤字を計上することになり、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。ただ、テレビ事業についてはこの10年間、弊社の成長、技術革新の中心になってきたことも事実である。今年度の赤字は巨額であるけれども、一方で社内に蓄積されるエネルギーは大きいものがあると考えている。

サムスン電子やトヨタ自動車のような成功企業ですら危機感が強い。われわれはこれ以上の危機感を持って臨まなければならない。パナソニックが復活するには、最大の資産である「人」の能力をいかに活かせるかにかかっている。

--(大坪社長に対し)激動の6年間を振り返っていかがか。2月初旬の時点まででは続投する方向だったと伺っているが。

大坪 やはり本年度7800億円という巨額赤字の見通し。従業員に大きな痛みを伴った改革の結果であり、あらゆるステークホルダーの皆様、社外の皆様にご心配をおかけしたことを大変申し訳なく思っている。しかし経営者にとって大事なことは、会社を存続させ、将来に対する発展の礎を築くことにある。

その意味では、世界的な不況、東日本大震災、円高等々、大きな環境変化の中で社名変更、三洋電機買収と、エネルギー・環境に進むべき道を明確に見出し、土台を築けたという点で、社長としての責任は果たせた。自分としては将来の成長に布石を打ったと考えている。

--引責辞任ではないのか。

大坪 本年度大きな赤字を出す見通しだということについては大変申し訳なく思っている。しかし繰り返すが社長としての役割は果たしたと思っている。

(西澤佑介 =東洋経済オンライン)

写真は尼崎工場 撮影:ヒラオカスタジオ

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