森川亮は「世界的スター」の育成を目指す 動画サービス「C CHANNEL」の未来<1>

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――C CHANNELはプラットフォームではなくブランドと言っていますが、最終目的地とそこに至る過程を聞かせてください。

イメージ的には、MTVかCNNのオンライン版かなと思う。何でもあるのではなく、基本的には若い女性が気になる物を中心に出していくという考え方ですね。日本以外の国も入ってくるので、中国語圏やアジアをまず押さえつつ、そこから広げていきたい。

C CHANNELのオフィス

メディアブランドは欧米の会社が多い。でも、そこだけではない部分を目指したい。アジアでも欧米に憧れる人がトレンドをリードしていることは多いのですが、意識が変わりつつあるのではないか、と考えています。今後はアジアの富裕層が独自のブランド展開を期待すると思うので、そこをターゲットに広げたい。10月には中国語、英語のサービスを開始します。

すでにアジアではモバイル動画は当たり前になってきています。日本人はシャイな人が多く、動画の投稿が増えていくかは不明ですが、アジアや南米では動画投稿に積極的な人が多いので、そういう人々が参加してくると思っている。そこに大きな需要があると考えています。

「カワイイ系」の代表格になれればいい

――C CHANNELの認知度を上げる仕掛けは?

認知される経緯は圧倒的に口コミ。特に東京圏では若い女性によく知られるようになってきました。クリッパーにもオシャレに敏感な子が多く、そのネットワークを通じて認知度が高まっているようです。

最近では大企業の社長さんから、「娘がC CHANNELのファンだ」と言われることも増えてきました。LINEが出始めた頃とちょっと似ている。地方の大学生が見ても面白いとは言わないけれど、東京の情報が中心なので、情報感度が高くて若くて原宿のオシャレなイメージに魅かれている女性が注目してくれています。

従来の日本の大企業だと東京に最先端があり、そこからちょっとオシャレ度を落とした形で日本の地方に持っていこうとする。われわれはあえてそうせずに、いきなり海外に持っていこうと思っている。日本のマーケットだけだと多様な層に広げないといけないため、どうしてもブランドが作りにくいのです。

アジアには尖ったターゲットもある程度いるので、そこを狙いにいきたい。億単位のユーザーも夢ではないと思いますよ。「C CHANNELに投稿できる私ってオシャレでしょ」という人が増えていけば、それがブランドとして認知される流れが生まれるはずです。

インスタグラム的な形もいいと思っています。C CHANNELはインスタグラム的なオシャレとはちょっと違うかもしれませんが、アジアと欧米はオシャレの基準も違います。アジアは、どちらかといえば「カワイイ系」が多い。そうしたブランドの代表格になっていければと思う。

――タテ画面での投稿は新しいスタイルだが、うまく広がっていますか。

いままで批判する人に会ったことはないですね。そもそも自撮りの時、スマートフォンを横にするのは面倒で、横画面で見る人はいませんから。最近の若い子はあまりテレビも見なくなっており、縦長動画を多く見る時代が来るかもしれませんよ。

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