【産業天気図・非鉄金属】市況反落と買鉱条件悪化で、我が世の春にも陰り

歴史的な市況高で「我が世の春」を謳歌した06年度の非鉄各社。だが、07年度は良くて横ばい。市況次第では、かなりの減収減益も覚悟する必要がありそうだ。
 最大のリスク材料は、市況の反落。銅の場合、06年はLME価格が一時1トン当たり9000ドル近くまで高騰したが、07年初頭には5000ドル台へ下落した。足元は6000ドル台まで回復しているものの、ストライキや鉱山事故の影響があった前年ほどの高値は期待できそうにない。
 亜鉛も中国の供給能力が大幅に増え、06年の1トン4500ドルをピークに、足元は3000ドル台まで下落。ステンレスの実需に支えられて高騰が続くニッケルも、一部需要家の間ではニッケル系ステンレスからクロム系ステンレスへの代替が進んでおり、「07年内にもピークアウトするのでは」との観測が強まっている。
 マイナス材料は、ほかにもある。寡占化が進む資源会社の発言力が増し、これまで銅の地金価格上昇に応じて鉱山側と製錬側で収益を分け合ってきた「PP(プライス・パーティシペーション)」制度が07年契約分から廃止された。これにより、市況上昇の恩恵を受けてきた製錬側の加工賃収入は、定額の1ポンド当たり15セントだけになった。製錬収益の悪化は避けられない。
 もちろん、各社とも無策という訳ではない。三菱マテリアル<5711.東証>は、市況の影響を受けにくい金属加工へのシフトを進めている。古河機械金属<5715.東証>は、削岩機などの土木鉱山機械で中国やインドなどアジア市場の深耕を図る。また、住友金属鉱山<5713.東証>は、製錬よりもさらに川上の工程に注力し、銅やニッケルの鉱山開発を世界規模で進めている。工程こそ川下と川上に分かれるが、各社とも製錬以外の事業を収益源に育てようというビジョンは共通している。
 ただ、07年度に関する限り、市況反落が響き、製錬の不振を他部門で吸収しきれない恐れが大きい。雲間に光が差すのは08年度以降になりそうだ。
【猪澤顕明記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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