独立系で生き残れるか--大和証券・日比野隆司社長を直撃

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証券と銀行は異質 組むメリット小さい

──再び銀行と組む気はないか。

現段階では組むメリットは小さい。仮に合弁を続けていても、業績は現状と似たり寄ったりだろう。格付けにはプラスに働くが、今のところ格付けが落ちて失ったビジネスや追加されたコストはほとんどない。

証券と銀行は本質的に違う。直接金融、資本市場に軸足を置く金融グループがあったほうがいいと心底思っている。間接金融(銀行)の手のひらの上の資本市場(証券)という形は、国民経済的にどうかと思う。

──保険会社との連携は。

水と油ということはない。当社に欠けているのは、大きな資本や信用格付けの補完、グローバルネットワーク。それらを補うための外部の力というのはあるが、全部補える相手はなかなかない。証券事業を展開するうえで、どこかと組むとパッと視界が開けるというのはないのでは。

統合によって日本の金融状態が画一的になるのは疑問だ。どうしようもなくなったら仕方ないが、完全体の独立系総合証券に戻って前向きに頑張ろうと団結を呼びかけている段階で余計なことは考えない。総合証券としてリスク商品を広い顧客層に供給していく自信がまだあるので、今はそれに向けて邁進すべき局面だと考えている。

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ひびの・たかし
1979年東大法卒、大和証券入社。債券部を皮切りに英国法人、エクイティ部などを経て99年、大和証券グループ本社経営企画部長。2004年、取締役兼常務執行役員。09年、執行役副社長。11年、社長CEO。

(中村稔 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2012年2月25日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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