独立系で生き残れるか--大和証券・日比野隆司社長を直撃
仮に1ノッチ(段階)格下げがあっても、問題は(持ち株会社よりも)取引主体の証券会社。証券会社のほうは現状Baa2(ムーディーズ)なので、それほど崖っ縁ではない。影響がないとは言わないが、さほど大きくないだろう。
デリバティブの新規契約で取引相手として嫌がられることは考えられる。海外で長期間の契約が問題になると思うが、そんなにやっていない。バランスシートを多用する事業は海外では縮めてきている。基本的な株、債券の売買仲介業務には全然支障がない。
アジア重視の戦略変えず 2年以内に収支均衡へ
──アジア事業も苦戦している。
拡張のタイミングが結果としてよくなかったのは事実。だが、今まで拡張してきたものを捨てるかというと、そういう対象ではない。アジア重視の基本戦略は維持していく。
アジアは日本での法人ビジネスやリテールへの商品供給のネタとして、相対的に力点を置くべき地域。M&Aにしても、日本とアジアは増えてきている。アジアをやめれば国内でも弱くなる。そのためにも持続可能な収支状況に持っていかねばならない。マーケットの状況にもよるが、第3四半期と同様であれば、来期、再来期のどこかでアジア拠点の収支均衡が見えてくるだろう。