猛威を振るうサムスン 日本の牙城・電子部品業界もついに陥落

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スマホ以外のセラコンでは、すでに中国系の部品メーカーが台頭し、価格下落が止まらない。赤字すれすれで低価格を提示する中国系メーカーは「体力の限界に近い」(メーカー関係者)といわれるが、出荷台数を拡大する中国系完成品メーカーからの採用率は高く、日本メーカーやSEMCOにとってさえ、頭の痛い競争相手となっている。

村田製作所の村田恒夫社長は「“ファーストワン”でないと儲からない時代になった。とにかく同業より高付加価値の製品を『先に』出すことだ」と言う。まずは13年春までに海外生産比率を3割(現在2割)に高め、原価低減を図る。

超小型品はこれまで福井を中心に国内のみで生産してきたが、技術流出に細心の注意を払いながら、近い将来、中国など自社の海外拠点へ移す可能性もありそうだ。

技術で並んだ日韓2強。スマホを舞台に激しい戦いが繰り広げられる一方、取り残された下位グループは追加のリストラ、再編まで発展する可能性はありそうだ。

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(前野裕香 =週刊東洋経済2012年2月11日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

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