松下幸之助の「感謝の心」は自然と伝わった

PHPが支払う給料にも心から感謝

松下は、つねに感謝の心を忘れなかった(写真 : xiangtao / PIXTA)

「きみ、わしにこんなにくれんでもええよ。わしは何もしておらん。きみたちが一生懸命に力を合わせて成果をあげておるのだから。けど、ありがたいことや。こうやってきみたちから手当をもらうことは」

松下幸之助は毎月そう言いながら、PHP総合研究所からのわずかばかりの給料を受け取ってくれた。それは、本当にわずかな額であった。しかも、いつも松下は私が手渡した給料袋を両手に挟んでなでていた。

松下の指示と助言がPHPを導いた

「何もしておらん」などということはない。常々細かい指示を出し、指導をしながら今日のPHP総合研究所を築きあげてきた。松下の書いたベストセラーがなければ、これほど出版活動がスムーズに始められることもなかった。松下の的確な指示と助言がなければ、発展はなかった。第一、私自身、松下の助言がなければ、経営をすすめていくことはできなかった。松下が薄い給料袋をそのように遠慮がちに受け取る必要はまったくなかったのだ。

だから私は、毎月のそのような言葉と態度に恐縮しながら、「本当にありがたい」と思ってくれる松下の心が感じられて、いつも感激した。

次ページ事業が成功した理由は自分の力ではない
関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
行き詰まる東電支援<br>原発最後の選択

賠償費用も廃炉費用も想定から大きく上振れし、東電支援スキームは破綻の瀬戸際。東電の発電所を売却し、その代金を賠償や廃炉費用に充て、東電を送配電会社に再編する構想が浮上。