フォルクスワーゲンCEOが辞任、米排ガス規制逃れで引責

米排ガス規制逃れ発覚を受けて

 9月23日、フォルクスワーゲンのウィンターコーンCEOが、米排ガス規制逃れが発覚したことを受け辞任すると発表した。写真はベルリンで3月撮影(2015年 ロイター/Fabrizio Bensch)

[フランクフルト/ベルリン 23日 ロイター] - 独フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)のウィンターコーン最高経営責任者(CEO)は、米排ガス規制逃れが発覚したことを受けて、辞任すると発表した。

ウィンターコーン氏は、このように大規模な不正が自社で可能であったことにショックを受けているとし、「VWには心機一転で再出発が必要」だとして自ら退くと述べた。

8年に及ぶウィンターコーン氏の指揮下で、VWは販売を倍増させ、利益をほぼ3倍に伸ばした。好調の波に乗る中で、同氏はトヨタ自動車(7203.T)や米ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)を抜き、自動車業界トップに立つと宣言してはばからなかった。だが販売台数を優先する姿勢は、過去にトヨタが質より量を追求し、意図せぬ加速問題で大量リコール(回収・無償修理)に追い込まれた姿とも重なる。

VWはまだ後継者を指名していないが、25日開催の取締役会に新経営陣の人事案が提出されるとしている。

関係筋によると、傘下のポルシェ、アウディ、およびVWブランドの各トップが後継候補に浮上。中でも、ポルシェのトップ、マティアス・ミューラー氏がグループ内での経験を評価され、最有力視されているという。同氏はVWを支配するピエヒ、ポルシェ一族にも近いとされる。

ドイツのメルケル首相は、独自動車エンジニアリングの手本として何世代も続くVWが自信を回復するために「できるだけ早く」行動するよう求めた。

前週末に不正が発覚して以降、危機は加速度的に深刻化している。

米環境保護局(EPA)は18日、VWが最大180億ドルの制裁金を科される可能性があると発表。

米司法省が刑事捜査に着手しているとされるほか、欧州やアジア諸国、カナダもこの件について調査を開始した。

業界への影響も大きく、米国のディーラーは顧客のディーゼル車離れを指摘する。

VWは前日、65億ユーロ(73億ドル)の引当金を計上すると発表。だが対象車は世界で1100万台販売されており、そのすべてをリコールするだけで費用は60億ユーロを超えると、コメルツ銀行のサーシャ・ゴメル氏は推定。今後の当局による制裁金や刑事捜査、販売への影響などを考慮すると、十分とは言い難い水準だ。

また市場関係者の間では、VWの株価急落を受けて、買収の標的になるのではとの観測も流れる。フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)(FCHA.MI)(FCAU.N)が提携相手を模索するなど、業界再編につながる可能性もあるとの見立てだ。

VW株価はこの日、一時4年ぶり安値の95.51ユーロまで売り込まれたが、結局5.2%高の111.5ユーロで終了した。

*内容を追加して再送します。

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