ギングリッチ復活は米有権者の「憤り」の表れ【米大統領選・専門家の見方】

21日に行われた米共和党の大統領候補指名を争うサウスカロライナ州予備選では、ギングリッチ元下院議長が大差で勝利し、前回第2戦のニューハンプシャー州予備選で勝ったロムニー前マサチューセッツ州知事は第2位、緒戦のアイオワ州において僅差で勝利したサントラム元上院議員は第3位だった。

今回の結果と今後の見通しについて、みずほ総合研究所の安井明彦・ニューヨーク事務所長は次のように分析している。以下、要旨。

ロムニー氏にとっては風向きの悪い選挙結果に

ペリー・テキサス州知事の選挙戦離脱もあり、サウスカロライナ州では「反ロムニー票」がギングリッチ氏にある程度集結。得票率が再び「30%の壁」に直面したロムニー氏は、予想外の大差で敗北した。

何よりも、「恵まれた金持ち」とのイメージがマイナスに働き始めたことが、ロムニー氏にとっては気がかりだ。ニューハンプシャー州での予備選挙で浮上したベイン・キャピタル時代への批判(「ハゲタカ・ファンドへの加担」)に加え、納税記録の公表を渋ったことが「優遇税制の恩恵にあずかる金持ち」というイメージを喚起した。

ロムニー氏の恵まれた状況は、「富裕層だけが得をする」という米国の庶民が感じている憤りの象徴のように扱われており、予備選挙のみならず本選挙に向けても同氏の大きな弱点となる可能性がある。

また、当初から予想されたこうした批判に有効に対処できていないことで、ロムニー氏の候補者としての適性や選挙体制の強さについても疑問符がつきかねない状況。「結局勝つのはロムニー氏」という同陣営が作り上げてきたストーリーが揺らいでおり、2008年民主党予備選挙でのクリントン氏と似たような状況に陥る危険性がある。

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