なぜ通信の大物は再エネ業界に飛び込むのか 元イー・アクセスの千本倖生氏の新しい挑戦

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――イー・アクセス創設では巨額の資金を引っ張ってきた

ファイナンスについても少しアドバイスしたい。イー・アクセスのように資本金と借り入れを合わせて計4000億円を調達するのは結構大変だと思うが、イー・アクセスのときには、欧米を含めてあれだけのファイナンスをしたのだから、数百億円クラスの調達を手伝おうと考えている。

――海外に出かけて資金を募るのか。

いずれ(そういう話が)出てくると思う。

「ゴルフや釣り」の心境は遠い

1942年生まれ。NTTを経て1984年に第二電電(現在のKDDI)を稲盛和夫氏らと共同創業し、専務取締役や副社長を務めた。1999年にはイー・アクセス(現ワイモバイル)を創業、2014年3月に名誉会長職を退任。2015年8月にレノバの代表取締役会長に就任

――ソフトバンクにイー・アクセスを売却したため日本の通信大手が4社から3社に減った。今さらながらだが、あの判断は正しかった?

通信業界に関する話はしたくない。ただ一つだけ言うとすれば、あのM&Aは非常に良かったと思う。利用者を含めた日本の社会に対しても、株主に対しても、そして(旧イー・アクセスの)社員に対してもだ。あの時点ではベストなチョイスだった。

――リタイアは考えなかった?

ぶらぶらして、釣りやゴルフだけをしている人生は面白くない。頭を使って、特にこういう若いベンチャーで働いている人たちと一緒になって問題を解決するのはすごく楽しい。

社会貢献になったら良いとは思うが、何より自分の人生の充実のさせ方(が大事)だ。毎日釣りをやって、という心境にはまだなれない。そこまで人間ができてないからだろう。
 

駅 義則 東洋経済オンライン編集部

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えき よしのり / Yoshinori Eki

1965年、山口県生まれ。1988年に時事通信社に入社し、金融や電機・通信などの業界取材を担当した。2006年、米通信社ブルームバーグ・ニュースに移ってIT関連の記者・エディターなどを務めた後、2015年9月に東洋経済オンラインのエディターに。現在の趣味は飼い主のない猫の里親探し

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