値段が高くても若者は買う? スズキ「ソリオ」特別仕様車がヒット

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値段が高くても若者は買う?スズキ「ソリオ」特別仕様車がヒット

「発売後1年が過ぎても新車効果が続いている」。

スズキの国内営業本部長、田村実副社長がそう胸を張る車がある。小型乗用車「ソリオ」だ。全長と全幅を抑えたコンパクトなサイズに広い室内空間を実現、コンパクトカーとミニバンの中間である「コンパクトミニバン」という新しいジャンルを築いた。後席両側にスライドドアを採用した使い勝手の高さも人気の秘訣である。

2011年1月の発売から丸1年が経ったが、月販3000台ペースが続き、当初目標の月販1000台を大きく超えている。一般的に「新車効果は長くても半年程度」と言われる日本の自動車業界では珍しい話だ。

なぜか。車の完成度が評価されているのに加え、もう一つの要因がある。11年11月下旬に投入した特別仕様車「BLACK&WHITE」(=写真=)の存在だ。その名の通り、車体色を黒と白の2色に設定、内装にも黒とグレーのチェック柄を随所に施した。専用ヘッドランプやアルミホイールなどもあしらっている。

 

BLACK&WHITEは180万円(消費税込み)と、最廉価仕様と比べて42万円も高い。それでも11月下旬の投入後は人気が集中しており、ソリオにおけるBLACK&WHITEの構成比は実に4割を超える。

顧客の平均年齢が4歳も若返り

 新車投入後に特別仕様車を出すこと自体、自動車業界では珍しくない。ただスズキでは、今回の特別仕様車でやみくもに車種を広げるのではなく、BLACK&WHITEに集中した。過度に在庫を持たないようにするためだ。

 

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