みずほ銀行

テーラーメードのサービスで
グローバル財務のあるべき姿を提案
みずほフィナンシャルグループ

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業種や企業ごとに異なる資金管理のニーズや課題を考慮し、顧客企業にとって最適なサービスを提供すべく、テーラーメード提案営業を推進する〈みずほ〉のトランザクションバンキング専門チーム。彼らが見据えているのは、グローバル財務のあるべき姿であり、その先には、企業価値向上や“稼ぐ力”を支える財務部門の強化、財務人材の育成も映っている。

企業財務を取り巻く「四つのG」

企業財務を取り巻く環境変化について、みずほ銀行トランザクション業務部長の田中祐司氏は、「四つのG」をキーワードに挙げる。一つ目は「グループ(Group)化」。連結財務諸表を「主」とする2000年の制度移行に伴い、グループ経営の重要性が高まり、国内でキャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)を導入する企業が相次いだ。

みずほ銀行
トランザクション業務部長
田中 祐司

二つ目は「グローバル(Global)化」だ。日系企業による海外展開自体、目新しいものではないが、ここ数年で海外ビジネスの比重は飛躍的に高まった。その結果、「地域ごとの資金集約モデルをグローバルに一元化したり、表計算ソフトなどによる管理からの脱却を目指した財務管理システムを導入する企業や、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の最小限化を図るため、商流ファイナンスの活用を強化する企業が急増しています」と田中氏は指摘する。

三つ目が「ガバナンス(Governance)強化」である。政府当局の要請により、コーポレートガバナンスの強化が大きな課題となっており、その出発点としてグローバルベースでのCMSを導入し、国内外にあるグループ子会社の「資金の見える化」に着手する企業も増えている。

そして四つ目が「グロース(Growth)」、すなわち成長を支える人材育成である。企業の成長を支える財務人材の育成も、企業財務にとっては大きな課題となっている。

日本CFO協会や金融情報ベンダーと協力し
財務人材の育成・強化も

こうした環境変化がもたらすさまざまな課題に対して、〈みずほ〉は顧客企業の財務管理力の強化に資する決済手法を提供し、流動性管理やリスク/コストの最小限化などに貢献している。ただし、業種や企業ごとによってグローバル展開の進展度合いや、資金管理に対するニーズは大きく異なるため、顧客企業にとって最適なサービスを提供すべく、〈みずほ〉はテーラーメード提案営業を推進する専門チームを15年4月に新設。また、アジアを面でとらえたトランザクションバンキングの営業部門をシンガポールに設置し、体制強化を図った。

「グローバル財務のあるべき姿や企業価値向上に向けた財務戦略の立案を、必要に応じて外部の専門家とも協働しながら進めていきます。お客さまとのディスカッションを重ねることによって、真のニーズを踏まえた、最適なソリューション提案につながると考えています」と田中氏は話している。

具体的な事例として、海外企業の買収を契機に、財務業務の可視化やグローバル化を一気に推進するという相談案件が持ち込まれ、特定のプロダクト提案にとどまることなく、顧客企業の財務部門と一緒に考え、最適なソリューションを提供するパートナーとして、二人三脚で取り組んでいるという。

「日本企業のグローバル展開に伴い、日本を中心にグローバル財務戦略の構築を模索する企業も一層増加する見込みです。財務機能の高度化を支える最適なソリューション提供に尽力していきたい」と語る田中氏。さらに〈みずほ〉では、今後、日本CFO協会や金融情報ベンダーなどとも協力し、財務人材の育成・強化にも貢献していく方針だ。日本企業の“稼ぐ力”の一翼を担うべく邁進する〈みずほ〉のトレジャリー・マネジメント・サービスに大きな期待がかかる。

Column
銀行とも連携し
グローバル財務人材を育成
一般社団法人日本CFO協会
専務理事 事務局長
谷口 宏

成長市場を求める日本企業のグローバル展開は、大企業に限らず中堅・中小企業にまで広がっています。ところが、日本企業に特徴的な現場任せの経営では、もはや海外事業を管理しきれなくなっているのが現状です。グローバルな経営管理の重要性が高まる中、キャッシュ・マネジメントをはじめとした財務部門の機能強化が求められています。加えて、企業価値向上と世界基準での透明性を確保する財務管理力の強化を担う財務人材(CFO、最高財務責任者)の育成が喫緊の課題となっており、その育成を主眼に、日本CFO協会は活動を展開しています。

2000年の発足と同時に米国最大の財務教育機関である財務プロフェッショナル協会(AFP)と提携し、AFPが実施する米国の財務資格CCMを教育プログラムとして導入しました。現在も海外で実績のあるよりグローバルな内容の専門教育プログラムの導入を検討しています。また、グローバルな資金管理の重要性とその強化は、経済産業省が事務局を担当する「高度金融人材産学協議会」においても大きなテーマとなっており、日本CFO協会は同省とも連携しながら、資格制度の導入や教育体系の構築を進めています。

14年度は、専門部会の一つに「次世代グローバル財務責任者部会」を発足させました。全6回にわたる勉強会の中でも参加者の関心が高かったテーマは、「資金の見える化」「為替リスク管理」「銀行政策」の三つでした。次回以降は、こうしたテーマを深掘りしていくとともに、財務担当者と銀行が情報交換と交流を図れる場もつくれるよう、みずほ銀行にもご協力をお願いしたいと考えています。

 

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