秘策はドクターイエロー、JR東海の観光戦略

全国で過熱する「観光列車ブーム」にモノ申す

「ドクターイエロー」が宙を飛んだ瞬間、見学者たちはどよめきの声を上げた(撮影:尾形文繁)

「おおーっ」というどよめきは、子供よりむしろ親から発せられたものかもしれない。

JR東海の電気軌道総合試験車「ドクターイエロー」は、運行スケジュールが公開されず、「出会えたら幸運が訪れる」というほどが、実物を目にするのが難しい列車だ。その車両が見られるだけでなく、目の前で宙を飛ぶ。子供はもちろん、親でさえ初めての体験だろう。驚くのは当然だ。

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イベント当日、浜松工場は大賑わいだった(撮影:尾形文繁)

7月25~26日、JR東海・浜松工場で「新幹線なるほど発見デー」が開催された。年に1度、浜松工場を一般公開するファン待望のイベントだ。

例年の目玉は「新幹線吊り上げ」。その名のとおり、新幹線N700系の車体を吊り上げ、来場者の目の前を移動して、離れた場所にある台車の上に下ろす。

全長25メートルの車両が宙を飛ぶ姿は、ただでさえ迫力満点。それを今年はドクターイエローの車両を使って実施した。過去21回行われた「なるほど発見デー」でも初めてのことだ。「たまたまドクターイエローの全般検査の時期と重なったから」と、JR東海の担当者は言う。

JR東海の対応が変化した

全般検査とは、車両をバラバラに分解して徹底的に検査すること。走行距離120万キロメートル、または前回の検査から3年経過のどちらかに該当した段階で行われる。営業車両だけでなく、ドクターイエローのような試験車両も、時期が来れば検査対象となる。

とはいえ、工場内に留置されているのはドクターイエローだけではない。例年のように、営業車両で吊り上げイベントを行うという選択肢もあったはず。あえてドクターイエローを投入したところに、JR東海の戦略に何かしら変化が起きたと考えられる。

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