シャネルはYouTubeでライバルに完勝した デジタルマーケに成功した要因とは?

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シャネルが650万超のエンゲージメントオーディエンス(愛着が強いとみられる閲覧者)を獲得。2位以下のダブ、ディオールなどを倍以上引き離している(ピクサビリティ社調査)

公式チャンネルでのエンゲージメント・レベルは、ただコンテンツの量が多いだけではないことを裏付けている。ピクサビリティ社によると、2014年1月から2015年4月にかけて1億6800万回の視聴と、「高く評価」「低く評価」「共有」「公開コメント」などのエンゲージメントが660万回あったという。このカテゴリーで1番多く視聴され、エンゲージメントがあったのがシャネルだった。

また、マクリーン氏によるとシャネルはペイド・リーチとオーガニック・リーチの両方をうまく使い分けているという。質の高いビデオを配信しているという自負を持ち、プロモーションへ効果的に予算を投入。そして、セレブが出演したビデオを増やして、香水や美容製品の小規模なキャンペーンの代わりとしたいとしている。

冷静に考えられたプロモーション戦略

「通常、ブランド各社は、オーガニック・ビューを極大化させたいと考える。無料であり、どのぐらいの人がコンテンツを検索したかを示してくれるからだ。しかし、シャネルは自社の重要なブランディングとして、組織的にYouTube動画の価値を高めている」(マクリーン氏)。

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縦軸=オーガニック視聴の割合、横軸=YouTubeチャンネル視聴数。シャネルが右上に位置していることで、オーガニック検索流入、プロモーション流入の2軸でオーディエンスを獲得していることがわかる(L2社調査)

シャネルは他社を圧倒している。高度にビジュアル化され、ユーザーのエンゲージメントが高いYouTubeで、類を見ないほど優位に立っているのだ。

「皆が憧れている。少しでもシャネルのようになれればと願っているだろう」とマクリーン氏は語った。

Hilary Milnes(原文 / 訳:南如水)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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